2007 Fiscal Year Annual Research Report
保全/修復を目的とした干潟地盤環境の評価と設計技術に関する研究
Project/Area Number |
18360232
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
渡部 要一 Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute, 地盤・構造部・土質研究室, 室長 (00371758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々 真志 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤・構造部, 主任研究官 (10392979)
中川 康之 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 主任研究官 (30360762)
桑江 朝比呂 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 主任研究官 (40359229)
関口 秀雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (20027296)
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Keywords | 干潟 / 地盤環境 / サクション / 堆積構造 / 地下水位 / 表面波探査 / UAV / 微地形 |
Research Abstract |
研究代表者ならびに研究分担者らは,生態や水質・水理を主眼とする従来研究とは異なった新しい研究アプローチ"生態地盤学"を新たに展開し,干潟土砂に関する研究に取り組んできた.本研究課題の初年度に当たる平成18年度には,実際の干潟地盤において,地球物理学的手法である表面波探査を適用して堆積構造の効率的かつ定量的に把握し,その堆積構造の形成要因を考察した.加えて,砂質干潟における典型的な巣穴底生生物であるコメツキガニを取る挙げて,住活動形態と土砂環境動態の関わりを現地観測ならびに室内生物実験により調べ,巣穴住活動に適合した土砂環境場を明らかにした.2年目に当たる平成19年度は,干潟の代表的底生生物で水産有用種でもあるアサリに着目し、その潜砂能力が土砂環境動態に強く依存していることを示した.上述の干潟土砂の堆積構造のみならず底生生物の住活動を支配するのは干潟土砂環境動態であり,これと密接に関連する干潟微地形を高精度かつ効率的に評価する手法についても平成19年度に新たに開発した.任意時刻に低空で自律飛行できる小型UAV(無人飛行機)を活用し,搭載した小型デジタルカメラで撮影した航空写真により干潟微地形を効率的に時空間評価するものである.干潟の水際近傍の水面は,波浪の影響が極めて小さく穏やかであるという特徴を活かし,高分解能な低空からの航空写真撮影で潮位とともに変化する水際線を捉えることにより,きわめて平坦な干潟地盤の微地形を効率的かつ精密に把握できることを明らかにした.高分解能な航空写真が得られれば底生生物の巣穴やその密度等をも捉えることができる.干潟微地形と干潟の動植物とを関連づけるような研究においても今後の活用が期待できる.
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