2006 Fiscal Year Annual Research Report
水素・メタン二相循環発酵による廃棄物系バイオマスエネルギー変換の高効率化
Project/Area Number |
18360249
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 玉友 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30361140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 和典 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30292519)
野池 達也 日本大学, 大学院総合科学研究科, 教授 (90005398)
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Keywords | バイオマス / バイオエネルギー / 水素発酵 / メタン発酵 / 二相プロセス / 高温 / 中温 / 廃棄物 |
Research Abstract |
本研究は,廃棄物系バイオマスからバイオエネルギー(水素・メタン)の回収を行うためのプロセスの開発を目的とし,高温(55℃)酸発酵槽と中温(36℃)メタン発酵槽からなる二相循環式水素・メタン発酵プロセスを提案し,食品加工廃棄物(ジャガイモ)を処理対象とした連続実験を行った。平成18年度では,異なるHRT条件での水素発酵特性とメタン発酵特性を明らかにし,PCR-DGGE法を用いた微生物群集構造解析により,二相循環式水素・メタン発酵プロセスの微生物菌叢を把握した。また,微生物群集構造解析からプロセスの高温酸発酵槽と廃液循環の有用性を検討した。 本年度では,ジャガイモを基質とした二相循環式高濃度水素・メタン発酵プロセスの連続運転により,無希釈,添加物ゼロの条件で安定運転ができる最短HRTは20日であることがわかった。対応している高温酸生成槽および中温メタン発酵槽の実質HRTはそれぞれ2日と8日であった。プロセスHRT20日とHRT30日の定常状態において,TS分解率,VS分解率,およびCODCr分解率はそれぞれ87%程度,92%程度および85%〜90%であった。従来の有機性廃棄物のメタン発酵のCODCr分解率が70%〜75%程度であるので,これと比較しても本研究は,高いCODCr分解率であると言える。 また高温水素発酵において水素は,約260日間の長期間に渡って連続的に生成した。プロセスHRTが20日のときに高温水素発酵槽のバイオガス生成速度は,約8.0l/l・d,水素の組成は45%であり,安定した連続的な水素生成が実現した。また,除去ヘキソースあたりの水素収率は1.67mol-H2/mol-hexoseであった。本研究のようなTSが高濃度の基質を対象とした水素発酵において,長期間に渡り連続的な水素生成が行われた既往の研究は見当たらない。中温メタン発酵槽のバイオガス生成速度は約5.3l/l・dで,そのうちのメタンガスの組成は58%であり,メタン生成も安定していた。
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Research Products
(2 results)