Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 慎治 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (00346529)
市橋 勝 広島大学, 総合科学部, 准教授 (10223108)
馬奈木 俊介 横浜国立大学, 経営学部, 准教授 (70372456)
李 志東 長岡科学技術大学, 経営学部, 教授 (80272871)
東 修 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70464154)
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Research Abstract |
中国では,急速な経済成長に伴い膨大な資源重要が発生し,そのことが環境問題や今後の地域経済の発展に与える影響について様々な議論が行われている.本研究の目的は,中国を対象とし,都市化,産業集積,資源の賦存と生産・消費,物流などの空間的構造に着目し,これが地域ごとの経済成長と環境問題にどのように影響を及ぼしているか,また,地域間の連関が国全体の発展にどのように作用しているかを明らかにすることである. 平成19年度は,中国における地域主義(諸候経済)が地域経済発展に与えた影響について,文献調査を中心に検討するとともに,粗鋼の需給予測,輸送モデルをベースに地域の経済発展,インフラ整備による資源消費と環境負荷の関係性などについて把握した.ここでは,2004年の中国地域間における鋼材のマテリアルフローを算出した結果,主な移出元は,遼寧,河北,江蘇安徽省の4省であり,近隣の省だけではなく,遠距離の省にも輸送していることがわかった.環境負荷の地域間依存関係については,石炭含有硫黄分が高い重慶市が主要な排出元となっており,四川省が鋼材を消費したことにより本来負うべき環境負荷を,重慶市が肩代わりしている関係が明らかとなった.また,鋼材のマテリアルフローの移出元となっていた河北,遼寧,安徽省が,移出先となっていた北京,上海,浙江,広東省の環境負荷を肩代わりしているという構造が伺えた. さらに,中国のエネルギー需給・環境問題の動向と政策課題,及びポスト京都議定書をめぐる中国の環境政策についてとりまとめ,北東アジアを中心とする国際協力のあり方について議論した.
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