スティールバンドを有するアンボンドPCaPC柱・梁圧着接合機構の構造特性

2006 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18360257
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 上田 正生 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (50091418)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 越川 武晃 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (10399983) ; 井上 圭一 釧路工業高等専門学校, 助教授 (70333630)
• Keywords: PCaPC梁 / 圧着接合 / 目地モルタル / スティールバンド / 柱・梁接合 / アンボンドPC

Research Abstract

本研究は、建物が過大な地震を受けた後も、殆ど補修を要しないPCaPCフレーム構造を実現することを意図して、スティールバンドを有するアンボンドPCaPC柱・梁圧着接合機構を提案することにある。本研究の具体的な研究目的は以下のようである。
1)スティールバンドを有する柱・梁接合形態の選定と接合部の剪断応力伝達性状の把握
2)ト型アンボンドPCaPC柱・梁接合部試験体の設計・製作
3)ト型と十字型アンボンドPCaPC柱梁接合部試験体の制作と載荷実験による変形力学性状の把握
4)スプリットティー付き圧着接合部試験体によるエネルギー吸収能力改善法の提案と評価繰返し載荷時を含む有限要素解析手法の開発と設計法の提案
平成18年度は上記の達成目標のうち、1)と2)の前半が対象であり、以下の研究を遂行した。
(1)スティールバンドを有するRC柱と、同じくスティールバンドを有するPCaPC梁の圧着接合形態として、種々検討を行った結果、梁端に梁背以下の幅を持つ数種の有望な形態を選定・特定した。
(2)圧着部接合面の目地モルタルを挟む柱・梁接合面における剪断応力伝達性状を把握するための試験装置を製作し、20体に及ぶ試験体を打設し実験を実施(JCIに投稿中)した。
(3)上記(1)、(2)の検討結果をもとに、形状の異なる片持ち梁形式のト型アンボンドPCaPC柱・梁圧着接合部試験体を15体設計した。この試験体の製作までが年度内の予定であったが,納品が期限までに間に合わなかったため,この分の予算(2,120,700円)を返還することとなった。
以上、平成18年度は、接合部目地モルタルのせん断応力伝達試験体の製作と実験の実施、そしてト型アンボンドPCaPC柱・梁圧着接合部試験体の設計完了の段階まで研究が進捗した。