2007 Fiscal Year Annual Research Report
曲げ降伏後にせん断破壊する鉄筋コンクリート柱の三次元ひび割れと寸法効果
Project/Area Number |
18360261
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市之瀬 敏勝 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (10151474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 恒 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (70324473)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 柱 / せん断破壊 / 変形能力 / ひび割れ |
Research Abstract |
低軸力下での普通強度コンクリート柱の挙動を調べるための実験を行った。付着破壊が生じないように,片持ち梁形式で加力した。軸力比を0.3に変更し,高軸力下での普通強度コンクリート柱の挙動を調べる実験を行った。他の実験パラメータは平成18年度と同様とした。低レベルの軸力が存在すると鉄筋コンクリート部材のせん断強度が上昇することは既往の実験で明らかになっている。また,曲げ降伏後のせん断破壊に関したも同様の効果が見られる。ただし,変形能力への影響は定量的に不明確である。筆者は,その最大の要因が軸方向ひずみにあると考えている。軸力がゼロの場合は,繰り返し塑性変形によって材軸方向の伸びひずみが蓄積し,コンクリートの斜め圧縮強度と剛性に悪影響を与えるのに対し,低レベルの軸力が存在するとこのような蓄積が抑制されるからである。ただし,高レベルの軸力は斜め圧縮破壊を増進する。今回の実験を通じて,この効果が定量的に把握できるはずであると考えた。 CTキャン実施には高額の費用がかかるため,総試験体の1/3つまり毎年4体のみについて実施する予定である。平成19年度のCTスキャン実施費用は18年度より大幅に増額したが,これは,18年度は試験的に1体のみスキャンし,問題点を十分に洗い出したので19年度に残りの試験体のスキャンをしようと考えたからである。 高軸力下でのコンクリート柱の破壊形式に関する実験結果を得ることができた。また,前年度との比較において軸力比と鉄筋コンクリート部材のせん断耐力の関係を導きうる定量的なデータが得られた。
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Research Products
(2 results)