2006 Fiscal Year Annual Research Report
高度解析プログラムと載荷実験を統合した建物の連成倒壊挙動シミュレーションシステム
Project/Area Number |
18360266
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多田 元英 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90216979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 宏章 広島工業大学, 工学部, 助教授 (80207224)
向出 静司 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (20423204)
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Keywords | 統合化構造解析 / ハイブリッド実験 / 座屈 |
Research Abstract |
建物全体の倒壊挙動や諸座屈の連成挙動を飛躍的に高い精度で解析することを目的として,平成16〜17年度の科学研究費の補助の下,研究代表者らは「統合化構造解析システム」の枠組を整備した.その研究を継続・発展させることにより,高度解析プログラムと載荷実験システムとを組み合わせるのが本研究課題の目的である.本年度はサブストラクチャーの接線剛性の情報を得ることなしに運動方程式の数値積分が可能なオペレーター・スプリティング法(OS法)を既往のシステムに実装し,数値積分の安定化のために改良方法を提案した.すなわち,従来のOS法は不適合変位を逐次補正して誤差の累積を回避していたのに対し,ここでは不釣合力を逐次補正する方法を提案した.それにより,幾何学的非線形を考慮した高精度解析においても数値が発散せずに安定した解析結果が得られるようになった.一方,数値解析と載荷実験とを組み合わせたハイブリッド実験として,平鋼によるブレースを有する門形骨組を対象にハイブリッド実験を実施した.すなわち,柱・梁・柱梁接合部パネルを数値解析用にモデル化し,ブレースを載荷実験用の実大試験体とした.数値解析部分から送信される変位情報に応じてオイルジャッキを作動させる制御アルゴリズム,および試験体の計測情報を数値解析側にフィードバックするアルゴリズムを,本システム用に新たに開発した.このように新たに開発したシステムを用いて部材座屈をともなう高精度なハイブリッド実験に成功している. オペレータ・スリティング法の改良については,既に論文として発表をすませている.一方,ハイブリッド実験については,現在,発表準備中である.
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