2008 Fiscal Year Annual Research Report
高度解析プログラムと載荷実験を統合した建物の連成倒壊挙動シミュレーションシステム
Project/Area Number |
18360266
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多田 元英 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (90216979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向出 静司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20423204)
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Keywords | 統合化構造解析 / ハイブリッド実験 / 座屈 |
Research Abstract |
数値解析と載荷実験とを組み合わせたハイブリッド実験として、管通しガセットプレート形式の円形鋼管ブレースを有する3層骨組の地震応答挙動をシミュレートした。前年度では,ヒンジ法による弾塑性挙動の数値解析と,座屈をともなう繰返し挙動の載荷実験とを組み合わせたハイブリッド実験であった。今年度はそれらをさらに発展させて,コンクリート床と鉄骨梁の合成効果やシェル要素による局部座屈挙動をパソコンで高精度に解析し,曲げ座屈後に破断に至る挙動を載荷実験で追跡することとし,そのような高度な不安定挙動に対しても本システムでシミュレート可能なことを示した。一方、汎用解析プログラムや研究分担者が開発したプログラムによる高精度解析と骨組解析プログラムを組み合わせた統合化構造解析も実施した。解析対象は,前年度にE-ディフェンス実験施設で完全倒壊に至る震動台実験を実施した4階建て鉄骨ラーメン建物である。建築基準法の2次設計に相当する大きさの地震動では全層にわたって損傷が分散すること,さらに大きな地震動では1階の角形鋼管柱に局部座屈が生じて,最終的に1階の層崩壊によって建物が完全倒壊することなどが本システムによる統合解析結果で得られた。これらの結果は震動台実験と定性的にも定量的にも一致しており,本研究助成で構築した統合化構造解析システムの有効性が検証できた。以上の研究成果は,日本建築学会,日本鋼構造協会の研究発表会や研究雑誌に発表したとともに,北京で開催された国際会議でも発表した。
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