2007 Fiscal Year Annual Research Report
建築物の性能的火災安全設計のための設計火災性状の把握
Project/Area Number |
18360272
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 和典 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (90198911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 教授 (80111938)
小椋 大輔 京都大学, 工学研究科, 助教 (60283868)
松山 賢 東京理科大学, 総合研究機構, 講師 (10307704)
抱 憲誓 東京理科大学, 総合研究機構, PD研究員 (30408760)
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Keywords | 火災 / 設計火源 / 燃焼実験 / 類型化 |
Research Abstract |
平成19年度は、出火およびその後の燃焼拡大危険性が大きく、代表的な初期火源として重要な大型ソファの燃焼実験および立方体にカットしたウレタン素材の燃焼実験を行い、その燃焼性状を把握した。ソファの実験においては、座面または側面に着火した後の燃え広がり過程を全周からVTRにより撮影し、燃焼面の拡大の様子と酸素消費法による発熱速度との関連を検討した。 立方体ウレタンの実験においても同様の測定を行い、水平・下方・側方の火炎伝播速度の予測法、燃焼面積からの発熱速度の予測法、発熱速度から立体的燃焼における火炎高さの予測法についての検討を行い、実在可燃物の燃焼性状の基本となる量を予測する方法の骨子を作成した。このとき、火炎の燃焼半径に応じて単位面積当たりの発熱速度が増大する現象や、複数可燃物が燃焼する場合の相互加熱作用についても考慮できる予測式としている。 また、空間内に複数の可燃物が存在する場合の燃え広がり過程を記述する物理モデルを作成した。これは、空間内に生じる火炎及び煙層の温度分布などから未着火可燃物への放射熱流を計算して延焼時間を予測し、複数可燃物間の相互加熱作用をもとに発熱速度を修正しながら火災の拡大を予測するものである。これに基づいてフォートランプログラムを作成し、液体燃料を使った過去の実験との比較を始めた所である。現時点では、実験との一致は必ずしも満足のいくレベルではないが、延焼拡大に関わる因子はおよそ取り入れることができたと考えられる。
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