2006 Fiscal Year Annual Research Report
東京都区部における蓋掛河川再生のための湧水に関する調査研究
Project/Area Number |
18360277
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 信之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80257203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾島 俊雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20063670)
増田 幸宏 早稲田大学, 理工学術院, 客員講師(専任扱い) (10398935)
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Keywords | 千代田区 / 東京都心 / 湧水 / 人工湧水 / 水収支 / 都市環境 |
Research Abstract |
今年度の研究においては、千代田区周辺地域における水収支に関する調査研究として、現在は具体的な水に関する社会基盤の整備の方針が決まっていない千代田区を対象に、自然系、人工系の水収支の調査及び算定を行った。千代田区周辺地域を対象に人工系・自然系の水収支について調査を行い、分水嶺により分割した5つのエリアごとに水収支をまとめることでエリア間の水収支の特性の違いを明らかにした。結果の概要は以下の通りである。 ・Aエリアでは、表面流出水が830mmと有用な資源であることが分かった。 ・Bエリアでは、雑用水消費量が3,079mmと高く、かつ表面流出量は830mmでありその活用の有効性が分かった。 ・Cエリアでは、既存の施設である循環利用水と下水再生水を有効に活用することでトイレ洗浄水の40%を賄うことができることがわかった。 ・Dエリアでは、雑用水消費量が3,658mmと高く、表面流出量が1,011mm、トンネル湧水量も252mm多くその活用の有効性が高いことが分かった。 ・Eエリアは表面流出水以外の水資源で最も水量が多く、かっ雑用水消費量も7,406mmと最も多いため、水資源活用の有効性が高いことが分かった。 また、環境と防災両面に資する「都市環境インフラ」の構築に向けての包括的な概念検討を継続して進めており、関連の実測調査や現地調査、文献調査を組み合わせ、今後の研究展開に資する基盤的な要素について幅広く検討を行い成果を得た。研究は、1.人工系都市基盤・都市インフラに関連する研究、2.都市内自然資本に関連する研究、3.各都市の基礎調査、4,安全・安心確保のための関連事例等の基礎調査に分類される。関連する社会的な要求を背景に、意義ある研究を行うことができた。研究助成に御礼申し上げる次第である。
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Research Products
(4 results)