Research Abstract |
1、研究目的と今年度の成果:Tと0の2箇所の総合病院の空間、サインの第II次改造画像を作成し,3次元立体視動画像実験装置を用いて,被験者の高齢者20人(各病院10人)に,第1段階が初診受付,第2段階が診察受付,第3段階が検査受付の3段階の目的室探索実験を行い,昨年度実験結果との比較により改善の効果と第III次画像作成への課題を明らかにした。 2,画像の改善点:(1)Tと0の風除室内方向板の視認性向上のための位置と表記の変更,(2)初診受付の受付上部カウンターの視認性向上のためのTの形状変更と0の表記変更,(3)Tと0の平面板利用向上のための位置と記載内容の変更,(3)Tと0の1階ホール内で,多様な情報を含む主方向板を読み取り易くするための階情報等の表記変更,(4)昨年のTの実験で誤認があった各受付上部の番号変更,(5)Tの第3段階目的室を示す方向板の形状の変更等を行った。 3,被験者の年齢:T病院65歳代2人(男2),70歳代8人(男5,女3),0病院65歳代4人(女4),70歳代6人(男4,女2)である。 4,具体的な成果の内容:1)第1段階実験では,昨年の高齢者はTで6人,0で3人が最短で到達し,今回の改善後ではTで9人,0で8人が最短で到達できた。効果の理由は,Tの受付の形状変更と0の受付の名称変更による効果である。2)第2段階は1階から2階に行く必要があり,昨年はTで3人,0で6人が最短で到達し,今回はTで5人,0で6人が最短で到達できた。Tの効果の理由は,受付番号サインを斜め方向からも読み取り易いボックス型に変更したことによる。3)第3段階は2階から1階に戻る必要があり,昨年のTの最短は1人,0の最短は0人で,今回はTで1人,0で2人が最短で到達できた。効果が不十分な理由は,Tの1階の斜め方向を誘導する方向板の改善が必要で,0では2階から1階への3種類の移動手段に対応できる情報が必要な事が明らかになった。 5,今後の課題:最短が増加し一定の効果があったが,平面板は,改善後も利用しないか,利用しようとしても読み取れず,新たな改善方法の検討が必要である。
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