2006 Fiscal Year Annual Research Report
都心集合住宅の供給が都市のコンパクト化に果す役割の研究
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18360292
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宗本 順三 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (60219863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 教授 (80111938)
吉田 哲 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10293888)
松下 大輔 京都大学, 工学研究科, 講師 (90372565)
唐 ぺん 岡山理科大学, 総合情報学部, 講師 (40378815)
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Keywords | 都心 / コンパクト化 / 集合住宅 / 人口移動 / 環境負荷 / 土地利用の複合化 / 生活行動圏 |
Research Abstract |
近年、京都市都心部において分譲マンションの供給が活発に行なわれ、それが受け皿となり、人口の都心回帰現象が起こっている。本研究は、京都市における都市のコンパクト化の進行実態を把握し、さらに、環境負荷削減(CO2排出量の削減量)の側面、土地利用複合化の側面から、都心のマンション供給が都市のコンパクト化に果たす役割を明らかにすることを目的とする。 平成18年度は、1999年前後京都市の分譲マンションの立地の変化、都心部に1999年-2006年の間に供給された分譲マンションの供給量、立地などの調査を行い、分譲マンションの供給実態を明らかにした。その結果、1999年後に、京都市都心部に供給されたマンションの数が増加したことが分かった。分譲マンションの供給量と、都心部への人口推移には類似した傾向が見られた。 計算によって、現状のマンション供給方式と1999年前の供給方式を比べて、住民の都心への通勤・買物の移動におけるトリップ距離が短縮、まだ鉄道、バス及び自動車利用から徒歩・原付利用などへの転換することから、平均的には、1世帯あたり年間のCO2排出量は約34.6kg-Cを減少することができる。1999年-2006年の間に、その数値は増加する傾向があったため、京都市のコンパクト化が進んでいることが明らかになった。また、都心部各街区の用途混合度を算出し、平面的な土地利用の複合化の状況を把握した。1998年と2006年での建物用途の変化と用途混合度の変化を分析してみると、近年の分譲マンション供給は都心部の土地利用の複合化を進行させる傾向にあるといえる。しかし、都心において立体的土地利用の複合化はあまり見られなかった。今後コンパクトな都市環境を形成していくためには、市場メカニズムのみで行われる分譲マンションの供給ではなく、分譲マンション周辺における供給の制限、商業施設の優先的立地等、都市計画の観点からの計画的な誘導が必要である。 また都心に供給されたマンションの居住者の日常の生活行動圏域を調べる調査を実施し、都心マンションの居住者の利用する店舗数は多いが、定期的に利用する店舗の数は少ないことを明らかにした。中でも最も利用する店舗の利用率は高く、店舗までの距離が短いこと、利用についての満足度が高いことを明らかにした。
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Research Products
(5 results)