2006 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレントX線回折顕微鏡による金属材料中の3次元メゾ組織のその場観察
Project/Area Number |
18360304
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松原 英一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (90173864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 幸生 理化学研究所, 石川研究室, 客員研究員 (00415217)
西野 吉則 理化学研究所, 石川研究室, 先任研究員 (40392063)
奥田 浩司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50214060)
香村 芳樹 理化学研究所, 石川研究室, 先任研究員 (30270599)
市坪 哲 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40324826)
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Keywords | コヒーレントX線 / イメージング / アルミ合金 / メゾ材料組織 / 放射光 |
Research Abstract |
Al基合金を用いたX線顕微鏡観察(XM)による析出微細組織観察技術の確立:本年度は、コヒーレントX線回折を用いた物質内部の構造の三次元像の再生技術の開発を目的に、電子顕微鏡観察やマイクロX線トモグラフ技術では観察が困難なサブミクロンスケールの析出物が母相中に分布している実用アルミニウム合金中の中間相の三次元形状の可視化を、コヒーレントX線回折法を用いて解析し、本技術に関する研究を行った。測定には、析出物の形状等が他の手法で比較的よく分かっている実用2000系アルミニウム合金にT6処理と呼ばれる熱処理を施して、中間析出物であるθ'相が析出した試料を用いた。測定は、SPring-8の理化学研究所のビームラインを用いて測定を行い、そこから得られたコヒーレント回折パターンに反復法を適用し、試料の透過像を再生した。試料に対するコヒーレントX線の入射方向を様々に変化させて同様の実験を実施し、これらすべての回折パターンから再構築される透過像を用いて、三次元像を作製した。その結果得られたアルミニウム試料中の再生像は、数100mm直径で、数10mm厚さの円板状の形状を示した。この像を、電子顕微鏡観察により得られた像などと比較すると、直径および厚さ共に、かなり大きくなって像が再生されていることが分かった。このような像の形状の違いが起きた原因について考察した結果、今回測定に用いた測定の空間分解能が、数10mmであり、その結果、実際の析出物の形状がかなり広がって見えることが予想された。これへの対策としては、1つの測定について三次元像を再生するのに数10の像を用いたが、さらに多くの像を用いて測定することが必要であることが分かった。このためには測定にさらに多くの時間が必要であることになり、現状の光源を用いる場合、検出の効率の向上や、入射強度の増加のための実験装置の改良が不可欠であることが分かった。
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Research Products
(3 results)