2008 Fiscal Year Annual Research Report
3次元電子線トモグラフィによる亀裂先端転位群の立体構造解析
Project/Area Number |
18360305
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東田 賢二 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (70156561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 賢治 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (30336002)
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Keywords | クラック / 電子線トモグラフィ / 応力遮蔽効果 / 転位 / 破壊靭性 |
Research Abstract |
材料の脆性的性質は種々の構造物破壊事故の基本要因となるとともに,工業的には種々の新材料実用化に際して最大の障害の一つである.この脆性的性質は亀裂先端からの転位の生成・増殖により抑制できるが,この転位増殖過程は複雑な三次元構造を有しており,脆性破壊抑止の基本方針確立のためには,亀裂先端転位構造の立体解析が強く望まれている.本研究では,亀裂先端転位群の立体構造観察という目標に対して,三次元電子線トモグラフィという,従来この分野では試みられたことのない新たな手法を持って挑み,その詳細な構造解析を行った.本年度は,昨年度で得られた結果を発展させるべく,亀裂先端から発生した転位の電子線トモグラフィ観察に挑んだ.まず,マイクロビッカース硬度計を用いてSi結晶の(001)面に圧痕を付加し,{110}面亀裂を導入した.その後熱処理を施すことで亀裂先端転位に転位を発生させる.その亀裂先端を含むようにイオンミリング装置で薄膜化する.その試料を電子顕微鏡の鏡筒内で±60度〜70度傾斜させることで,トモグラフィ観察を行った.その結果,亀裂先端から鎌状に張り出す転位の立体構造が明らかとなった.更に像シミュレーション方を併用し,転位のバーガースベクトルをその符号まで詳細に解析したところ,亀裂先端のmodeIIを遮蔽する転位であることが明らかとなった.さらに,超高圧電子顕微鏡を用いたトモグラフィ観察によって,45°shear type塑性域を形成する転位群の3次元構造も明かとなった.
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Research Products
(8 results)