2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360306
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小山 泰正 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20150295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70016525)
平田 秋彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90350488)
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Keywords | 拡散・相変態・状態図 / 結晶構造の階層性 / 高次構造 |
Research Abstract |
平成18年度は、合金の金属間化合物に見られるσ構造での構造単位の特徴とその階層性の有無を検討するため、Cr-Co合金のσ構造を取り上げて研究を行った。具体的には、Cr-24at.%Co合金の(bcc→bcc+σ)反応を利用し、透過型電子顕微鏡を用いてその結晶学的特徴を調べることにより、bcc構造からのσ構造の形成過程を明らかにした。観察の結果、bcc母相とσ析出物の界面領域には、σ構造への形成過程を示す遷i移領域の存在が見出された。ここで、まず遷移領域を含む、比較的広い領域からの電子回折図形の特徴は、(110)bcc//(330)σ、[-110]bcc//[001]σの方位関係を満たすbccおよびσ構造からの回折斑点に加え、σ構造の第1部ブルリアンゾーンのq1=[1/31/30]σとq2=[001/4]σ位置にも回折斑点が存在することである。そこで、これら回折斑点の出現を理解するため、遷移領域の高分解能像を撮影した。得られた高分解能像中には、[001]σと[1-10]σ方向に沿って、いくつかの特徴的な格子縞が観察され、これらを分類することにより遷移領域は、bcc母相側からI、II、およびIIIの3つの領域から成ることが明らかとなった。結局、本観察から得られたσ構造形成の素過程は、以下の通りである。領域I : bcc母相中に[001]σ方向の1周期分の厚さを持つ層状領域の出現。領域II:層状領域がσ構造を有する層状領域へんと変化し、その後[001]σ方向に沿って間隔約1.80nmで配列。領域III:σ層状領域の3次元成長によるσ析出物の形成。
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Research Products
(1 results)