2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360311
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 修一 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00235574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 哲司 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (90221647)
瀬川 浩代 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (90325697)
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Keywords | 微小光共振器 / 高性能レーザー / 光物性 / ガラス / 光励起 / ラマンレーザー |
Research Abstract |
マイクロメータサイズの球状光共振器は優れた光閉じ込め効率(Q値)で知られるが、低屈折(n_D=1.5)なシリカガラスやプラスチックを材料としていたため、共振条件を満足する屈折率差を実現できず被覆層を設けることが不可能であった。安定的に動作する光素子とするためには、被覆層の形成が不可欠であり、同時にどのようにして効率的な励起光導入を満足するかを明らかにすることが最大の課題である。 本年度の研究の成果は以下の通りである。 (1)数十ミクロンの高屈折率ガラス球(組成:BaO-SiO_2-TiO_2、屈折率n_D=1.93)に、有機・無機ハイブリッド材料(n_D=1.49)からなる被覆を設ける手法(エアースプレー法)を開発した。まず、液状の被覆層を設け、それが固化するまでの時間の調整により、設置面のみ平坦となる特殊形状(テラス構造と名づけた)の付与を可能にした。 (2)高屈折率ガラス球に設けたテラス部からのレーザー励起光の導入(スポットサイズ、1μm)により、特異的に強く共振状態にあるラマン散乱光が生じるスポットが存在することを明らかにした。Arイオンレーザーの励起光強度を変化させる実験により、約4mWにしきい値が存在し、誘導ラマンレーザーとして機能することを確認した。 (3)比較的相対屈折率の低いガラス球((a)ガラス球n_D=1.93、被覆1.72、(b)ガラス球n_D=1.52、被覆層1.49)に対して同様の被覆と励起実験を実施した。上記(1)のガラス球と被覆層の組み合わせのみにレーザー発振が確認され、他の場合は、ブロードなピークのみが観測された。微小球が高屈折率であり、被覆との間の相対屈折率が1.3程度は必要であることが判明した。
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Research Products
(4 results)