2007 Fiscal Year Annual Research Report
多元共晶融体の鋳造による多元ナノ複合セラミックスの作製
Project/Area Number |
18360313
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉村 昌弘 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミックス研究所, 教授 (10016826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 友亮 明治大学, 理工学部・応用化学科, 准教授 (30345392)
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Keywords | セラミックス / ナノコンポジット / 共晶 / 融体 / ガラス / 透明セラミックス / C_<12>A_7 / Al_2O_3 |
Research Abstract |
本研究では、多元ナノ複合セラミックスを作製するために、多元共晶融体の鋳造とその結晶化を検討した。まず、HfO_2-A_<12>O_3-Gd_2O_3系ではcubic HfO_2-GdAIO_2-AI_2O_3三元系の共晶組成で透明なアモルファスが得られること、それをアニールすると順次三相が結晶化し、特有のナノコンポジットになることが分かった。さらにこの系にEu_2O_3を添加するとアモルファス相の生成が容易となり、形状付与がしやすくなる。 CaO-AI_2O_3-Y_2O_3系では、C_<12>A_7(Ca_<12>AI_<14>O<33>)化合物と三元系化合物CaYAIO_4との間に共晶組成があり、その付近で容易にアモルファス相が得られることが分かった。この共晶系を利用すると、CaYAIO_4の結晶化に伴う体積収縮がC_<12>A_7の結晶化の際の巨大な体積膨張を補償すること、および内部からの析出・結晶化がおこることのためクラックが入らないC_<12>A_7複合セラミックスが得られた。 また、CaO-A1_2O_3-HfO_2系では、新しい化合物Ca_<12>AI_<12>Hf_2O_<35>とC_<12>A_7の間に共晶関係があり、その融体急冷によるアモルファス相が得られること、およびそのアニールによりやはりクラックの入らないC_<12>A_7複合セラミックスが得られることが分かった。これらの事実はC_<12>A_7セラミックスの広い応用へ役立つものと考えられる。 さらに、複合ペロブスカイト型酸化物などの融解合成法を確立した。組成均一かつ結晶性の高い複合酸化物結晶は通常の固相法では中間粉砕を経て1000℃以上の焼成を繰り返してはじめて合成される。しかし融解法によれば融体中の拡散、反応であるために数秒から数十秒で均一な組成の試料が合成できる。希土類ドープペロブスカイト蛍光体およびCaLaGaO_4型蛍光体の作製およびその光学特性が検討された。さらに化合物合成に対する格子エネルギーの寄与、融解-凝固過程のコンピューターシミュレーションが成された。
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Research Products
(20 results)