2006 Fiscal Year Annual Research Report
無機/有機ハイブリッド膜の圧子力学構築とマイクロパターニング技術への適用
Project/Area Number |
18360315
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
逆井 基次 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50124730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 厚範 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (70295723)
宮島 達也 (独)産業技術総合研究所, 研究員 (10358129)
武藤 浩行 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (20293756)
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Keywords | 圧子力学 / 顕微インデンター / 弾性 / 弾塑性 / 粘弾性 / ハイブリッド膜 / 膜 / 基板複層体 / Meyer硬度 |
Research Abstract |
(1)インデンテーション計測装置の高機能化:特開2005-195357に基づき試作した顕微インデンターの高機能化を計るため,(a)暗視野法,および明視野法での圧子形状の最適化,(b)暗視野法での光照射装置および照射角度の最適化,ならびに(c)接触映像定量(接触面積計測)の高精度化を行った.これにより球形圧子,円錐圧子,正三面ピラミッド圧子および正四面ピラミッド圧子に適用可能なミクロ領域における高信頼性計測装置が完成した.次年度への課題は本装置のナノ領域への拡張のための改良である. (2)開発装置を用いた弾塑性圧子力学研究:延性金属材料から脆性セラミック材料に渡る広範囲で弾塑性挙動を示す各種工業材料を試験体とし,(1)項で開発した顕微インデンターを用い接触面積の体系的な定量計測を行った.これらの実験結果をもとに慣用近似として用いられてきた01iver-Phaar近似およびField-Swain近似の適用における問題点を明確にすると共に,開発計測装置の優位性を立証した. (3)薄膜/基板複合体の粘弾性圧子力学理論構築:膜および基板共に時間依存性を示す粘弾性積層体についての圧子力学理論(応力緩和理論)を構築した.この理論において用いている「接触面積は緩和過程で不変」とした近似には問題があり,この点に関しては次年度,顕微インデンターを用いた実験および有限要素法解析と合わせて,理論の改良を行う. (4)薄膜/基板複合体の弾塑性圧子力学理論構築:弾塑性積層複合体は(3)項に示す粘弾性体と異なり時間依存性を示さないにもかかわらず,基板効果を組み込んだ理論構築には多くの困難を伴う.理論構築に先立ち,今年度は,(a)改良型顕微インデンターを用いたハイブリッドコーティングの弾塑性圧子力学実験,および(b)汎用有限要素法(ANSYS)による数値解析を体系的に実施した.その結果,基板からの「弾性効果」が膜の塑重性変形挙動を支配していることを明らかにした.この事実はMeyer硬度の値が,圧子の圧入と共に膜固有の値から基板固有の値へと遷移するとした従来の定説を否定するものである.
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Research Products
(4 results)