2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガラスの結晶化による超イオン伝導性準安定相の創製と全固体電池への応用
Project/Area Number |
18360319
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
辰巳砂 昌弘 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (50137238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
忠永 清治 大阪市立大学, 工学研究科, 准教授 (90244657)
林 晃敏 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (10364027)
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Keywords | 固体電解質 / 全固体電池 / リチウムイオン / ガラス / イオン伝導体 / 硫化物 / ハイブリッド / メカノケミカル法 |
Research Abstract |
これまでの研究から、70Li_2S・30P_2S_5(mol%)組成のガラスを加熱結晶化することによって、超イオン伝導性結晶であるLi_7P_3S_<11>結晶が析出し、得られたガラスセラミックスが室温で10^<-3>Scm^<-1>以上の高い導電率を示すことを明らかにしている。本年度は、Li_7P_3S_<11>結晶の新規な作製プロセスとして、70Li_2S、30P_2S_5組成の融液を融点付近で長時間保持し、融液からの核生成・結晶成長について検討した。熱処理条件について詳しく検討したところ、出発物質を750℃で溶融後、700℃で48時間熱処理した後に急冷することによって、Li_7P_3S_<11>結晶を単相で得ることに成功した。また、放射光X線源を用いた粉末X線回折測定によって、Li_7P_3S_<11>の結晶構造について調べた。X線回折パターンは、三斜晶系(空間群P-1)で指数付けすることができた。Li_7P_3S_<11>の結晶構造中には、ラマン分光の結果を支持するP_2S_7^<4->とPS_4^<3->が配列し、それらの間にLi^+が位置することが示された。この構造は、PS_4^<3->を基本骨格とする高リチウムイオン伝導性硫化物結晶thio-LISICONとは異なっていることがわかった。またメカノケミカル法を用いて、70Li_2・S30P_2S_5ガラスと様々なリチウム塩から、無機-有機複合ガラスの合成に取り組んだ。硫化物ガラスに5mol%のLiBF_4、LiPF_6、LiN(SO_2CF_3)_2、LiIを添加することによって、ガラス転移温度の低下することがわかった。ラマン分光測定の結果、リチウム塩としてLiBF_4やLiN(SO_2CF_3)_2、LiIを添加したガラスは、母ガラスと類似の局所構造を有しており、また得られたガラスは母ガラスとほぼ同等か、もしくはそれ以上の導電率を示すことがわかった。
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Research Products
(22 results)