2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル-ゲルセラミック薄膜の応力制御に基づく物性・組織制御に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18360320
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
幸塚 広光 Kansai University, 化学生命工学部, 教授 (80178219)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / 応力 / コーティング / 薄膜 / シリカ / チタン酸ジルコン酸鉛 / 溶媒 / 結晶化 |
Research Abstract |
ゾル-ゲル法により作製されるシリカゲルコーティング膜の昇温過程における面内応力の発生に及ぼす溶媒の効果について調べた。モル比Si(OC_2H_5)_4:H_2O:HNO_3=1:8:0.01、体積比Si (OC_2H_5)_4:ROH=1:1.1なるSi (OC_2H_5) 4-H_2O-HNO_3-ROH (ROH=CH_3OH, C_2H_5OH, n-C_3H_7OH, n-C_4H_9OH)溶液からスピンコーティングによってSi(100)ウェハ上にゲル膜を作製し、ゲル膜を5℃/minの速度で500℃まで昇温した。この昇温過程で面内応力のその場測定を行った。面内応力は引張応力であり、温度とともに増大した。200℃以下の温度ではアルコールの種類にかかわらず応力はほぼ等しかったが、200℃以上では、n-C_4H_9OH<n-C_3H_7OH<C_2H_5OH<CH_3OHの順、すなわち、アルコールの沸点が低いほど応力は大きかった。 ポリビニルピロリドン(PVP)を含有するアルコキシド溶液を用いて、サブミクロン厚の(001)配向Pb(Zr_<0.53>Ti_<0.47>)O_3薄膜のゾル-ゲル1回成膜を試みた。モル比Pb(NO_3)_2:Zr(OC_3H_7^n)_4:Ti(OC_3H_7^1)_4:PVP:H_2O:CH_3COCH_2COCH_3:CH_3OC_2H_4OH:n-C_3H_7OH=1.1:0.53:0.47:0.5:5:0.5:22:0.98なる溶液をコーティング液とし、スピンコーティングによりPt(111)/TiO_2/SiO_2Si(100)基板上にゲル膜を作製した。ゲル膜を350℃で仮焼したのち650℃で焼成した。近赤外集光加熱炉中で仮焼した薄膜は、焼成過程で(001)面に配向した。一方、電気炉中で仮焼すると、焼成膜は無配向となった。これらの結果より、350℃での仮焼の過程で膜が基板側から加熱されることが配向結晶化を誘起することがわかった。
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Research Products
(17 results)