2007 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度遠紫外発光特性を有する六方晶窒化ホウ素の薄膜合成
Project/Area Number |
18360321
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
津田 統 National Institute for Materials Science, 光材料センター, NIMS特別研究員 (10242041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 賢司 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, 主任研究員 (20343840)
谷口 尚 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, ダループリーダー (80354413)
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Keywords | 六方晶窒化ホウ素 / 遠紫外発光 / カソードルミネセンス / 室温 / 自由励起子 / CVD |
Research Abstract |
前年度において、BCl_3-NH_3系を用いた熱CVD法により、室温で励起子発光を示す高品位の六方晶窒化ホウ素(hBN)の合成に成功した。しかしながら得られたhBNは面内方向に極めて不均一であり、また数10μmの凹凸のある極めて荒れた表面形態であった。本年度はこれらの面内均一性、平坦性の改善を目的とし、成長条件・成長方法をさらに検討し、以下の結果を得た。 1.より低温での成長(900〜1000℃)により、BCl_3によるNi基板のエッチングが抑えられ、表面荒れが低減し、また面内の均一性が改善できることが明らかとなった。しかしながら室温カソードルミネセンス(CL)測定においては、300nm付近のブロードな発光バンドが顕著であり、束縛励起子発光がわずかに見られるのみであった。 2.III族原料ガス(BCl_3)に対するV族原料ガス(NH_3)の流量比を増加させることにより、低温化と同様に表面荒れの低減、面内均一性の改善が可能であることが明らかとなった。室温CLスペクトルでは自由励起子および束縛励起子による発光が見られたが、300nm付近のブロードな発光バンドが顕著であった。 3.低温および高NH_3の流量比の条件下での堆積後に、還元雰囲気で1000〜1100℃のアニールを行うことにより、室温で顕著な励起子発光を示し、かつ平坦なhBN薄膜を得ることに成功した。面内のCLスペクトルには強度分布が存在したがスペクトル形状はほぼ同一であり、量的な不均一性があるが面内の質的な均一性は改善されたことが明らかとなった。これらの効果は、アニール温度がNi-B系の共晶温度に近い場合に顕著であり、NiへのBの固溶や、Niを介したBの拡散現象が励起子発光性のhBN生成に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(10 results)