2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360324
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 正紀 京都大学, 工学研究科, 教授 (70229970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 和博 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60303856)
着本 享 京都大学, 工学研究科, 助手 (50346087)
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Keywords | 薄膜 / 表皮効果 |
Research Abstract |
我々は薄膜の表皮効果を用いた新複合材料としてSi-ULSIデバイスのおけるCu配線技術への応用を考慮してきた。Si-ULSIデバイスはこれまでスケーリング則に沿って微細化・高集積化し、高機能化されてきた。しかし、Cu配線の配線幅が100nm以下に微細化されると、配線幅の減少に伴う著しい抵抗率の増加が大きな問題となっている。また、CuがSi基板中に拡散するのを防ぐバリア層の層厚がCu配線の有効断面積を減少させることも大きな原因の一つである。そこで、我々は薄膜の表皮効果を用いて極薄バリア層を形成する新規プロセスを検討してきた。そのプロセスでは、熱的に不安定なCu合金膜を作製、高温で熱処理することにより熱力学的に安定なCu固溶体と合金元素がリッチな層に分離、合金元素がリッチな層を表界面に形成させる。 本研究では、合金元素として遷移金属、高融点金属の中からTiが最適な合金元素であることを明らかにした。Cu中のTiの固溶度は小さく、合金化はCuの融点を低下させるため、抵抗率とプロセス温度の低減が可能であることを実証した。 更に、そのバリア層形成に及ぼす熱処理雰囲気と基板の影響を検討した。その結果、Ti酸化物層が薄膜中の固溶Tiと基板SiO2の反応により形成され、熱処理雰囲気には影響されないこと。熱処理雰囲気中の微量酸素がCu(Ti)合金薄膜中の固溶Tiの薄膜表面への拡散を促進し、表面でTi酸化物層を形成すること、これが固溶Ti濃度の低減とCu結晶粒成長の促進に役立つことを明らかにした。従って、低抵抗薄膜の形成にはAr雰囲気中での熱処理が必須と結論できる。 基板の影響については、Ti原子との反応性に乏しいNaCl基板では界面層の形成は見られず、Ti原子との反応性がある基板(SiO2/Si, SiN/SiO2/Si)では界面層が形成した。界面層の物質の種類および膜厚は基板の種類、つまり基板との反応性の違いに依存し、同条件の熱処理でも合金膜の抵抗率に差が生じた。従って、実デバイスと同じ基板を用いてこのプロセスの有効性を検討することが今後必要である。
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