2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360324
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 和博 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (60303856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
着本 享 京都大学, 工学研究科, 助教 (50346087)
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Keywords | 薄膜 / Cu配線 / 自己組織化 / オーミックコンタクト / SiC |
Research Abstract |
我々は薄膜の表皮効果を用いた新複合材料としてSi-ULSIデバイスのおけるCu配線技術への応用を考慮してきた。Si-ULSIデバイスはこれまでスケーリング則に沿って微細化・高集積化し、高機能化されてきた。しかし、Cu配線の配線幅が100nm以下に微細化されると、配線幅の減少に伴う著しい抵抗率の増加が大きな問題となっている。これは、CuがSi基板中に拡散するのを防ぐバリア層の層厚がCu配線の有効断面積を減少させることが大きな原因の一つである。そこで、我々は薄膜の表皮効果を用いて極薄バリア層を形成する新規プロセスを検討してきた。それは、過飽和なCu合金膜を作製、高温で熱処理することによりCu固溶体と合金元素がリッチな層に分離させ、合金元素がリッチな層を表界面に形成させるプロセスである。本年度の研究では、実デバイスで使用される低誘電率の絶縁膜など複数の絶縁膜に対してこのプロセスが有効かどうか、形成する界面層の同定とその形成機構について明らかにすることを目的とした。研究に用いた8種類の絶縁膜上全てで、熱処理後にTiリッチな界面層が形成することを確認した。界面層は、TEM/SADによる電子線回折とSIMS分析による深さ方向の濃度分布により、アモルファスのTi酸化物に加えて、結晶性のTiSiかTicが形成することを明らかにした。TiCは融点が約3000℃でバリア性が期待できる。TiSiかTiCのどちらが形成するかはそれらの形成エネルギーよりは、絶縁膜の組成によって決まっていることを系統的な実験から明らかにした。
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