2006 Fiscal Year Annual Research Report
部分酸化型水素製造システムへの酸素透過膜の実装試験による最適化
Project/Area Number |
18360326
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高村 仁 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30250715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 益男 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (80133049)
亀川 厚則 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (90292242)
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Keywords | 酸素透過膜 / メタン改質 / 水素製造 / エクセルギー / セリウム酸化物 / 混合導電性 |
Research Abstract |
本研究では、セリウム酸化物基複合体型酸素透過膜モジュールを実際にシステムに実装し、エクセルギー評価に基づく酸素透過膜の導電特性の最適化により、水素製造効率75%(低位発熱量換算)を達成する指針を得ることが目的である。今年度は、1)酸素透過膜型水素製造システムの作製とメタン改質特性の測定、2)酸素透過膜の導電特性の解明を実施した。 セリウム酸化物基複合体型酸素透過膜の実装に際して、セパレーターには1.6mm厚のフェライト基耐熱ステンレスを、膜とセパレーターの接合部には熱膨張係数が11×10^<-6>/℃に調整されたガラスを用いた。ガラスは遊星型ボールミルにより粉末状に粉砕され粘結剤となるPEG400と混合後、セパレーターに塗布された。シール温度は850℃とした。これらの構成材料・製造プロセスにより、割れ等のないモジュールが得られ、ヘリウム150sccmを燃料極側に流通させた際の窒素リーク量が0.2%以下に抑制された。モジュール1枚当りの酸素透過膜の実効面積は9cm^2である。実装する酸素分離膜の膜厚が200μm以上に大きくなると膜に割れが発生し歩留まりが低下する傾向があった。この酸素透過膜モジュールのメタン改質試験は780〜950℃の範囲で行われ、膜材料の酸素透過速度から予測される水素製造量が得られた。しかし、試験時にセパレーターからの膜の剥離が起きるためシール部にはさらなる改善が必要とされる。 エクセルギー解析のためには膜の発熱量を定量化する必要がある。そこで、膜のイオン・電子伝導度をイオンブロッキング法により分離し測定した。その結果、900℃では高酸素分圧側から低酸素分圧側に移行するにつれて、10^<-7>bar近傍で主要キャリアが酸素イオンから電子に代わることが判明した。この電気伝導度特性から酸素分離膜内での発熱分布が推定された。
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