2007 Fiscal Year Annual Research Report
Fe3Ptにおける磁場による可逆的なバリアント再配列の機構解明
Project/Area Number |
18360331
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 隆 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50228912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛下 知行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127209)
寺井 智之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20346183)
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Keywords | 結晶磁気異方性 / マルテンサイト変態 / 弾性定数 / ヤーンテラー効果 / 規則度 / 双晶変形 / 磁歪 |
Research Abstract |
Fe_3PtにおいてFCTマルテンサイトが生成する理由を明らかにするために、バンド計算により電子構造を求めた。その結果、マイノリティースピンの状態密度において、フェルミエネルギー直下に鋭いピークが存在し、そのピークが正方晶歪を与えることにより分裂し、歪による弾性エネルギーの上昇と相殺することを見出した。この結果より、Fe_3PtにおけるFCT変態原因がバンドヤーンテラー効果によるものであることを明らかにした。また、FCTマルテンサイトへの変態が、完全規則状態においては起こらず、規則度が低下した合金においてのみ起こる原因は、規則度の低下によりフェルミエネルギーの位置が前述のピーク位置に近づくためであることを見出した。さらに、電子状態よりフォノンの計算を行い、TA_2分枝がΓ点付近において軟化することを確認した。 可逆的な磁場誘起歪みに及ぼす母相状態に存在する小傾角粒界などの欠陥の影響を調べるために、欠陥の非常に少ない単結晶の育成を試みた。いろいろと試みた結果、FZ炉を用いての単結晶育成過程において非常に細いネックを作るとともに、低成長速度にて単結晶を育成することにより、小傾角粒界のほとんど存在しない良質の単結晶が育成できた。また、規則化熱処理条件についても幾つか検討し、規則度0.5から0.8の試料を得るための熱処理条件を明確にした。単結晶の品質については、直方体振動法により共振周波数をもとめることにより確認した。また、この単結晶において極めて均質なFCTマルテンサイトの双晶構造が現れることを顕微鏡観察により確認した。来年度は、この欠陥の少ない単結晶を用いて磁場誘起歪の測定を行う予定である。
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Research Products
(4 results)