2008 Fiscal Year Annual Research Report
Fe3Ptにおける磁場による可逆的なバリアント再配列の機構解明
Project/Area Number |
18360331
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 隆 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50228912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛下 知行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127209)
寺井 智之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20346183)
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Keywords | 強磁性形状記憶合金 / バリアント再配列 / 双晶変形 / 結晶磁気異方性 / 規則度 / 磁歪 / マルテンサイト変態 / インバー合金 |
Research Abstract |
昨年度に育成方法を確立した高品質のFe3Pt単結晶を用いて、磁場によるバリアント再配列挙動を詳細に調べた。特に規則度の影響を明確にするため、3種の規則度(S=0.48,S=0.75,S=0.88)の試料を用いて調べた。これらの規則度は、不規則化処理後の規則化熱処理条件を変えることで実現した。S=0.48の試料はbctマルテンサイトに変態し、S=0,75、S=0.88の試料はfctマルテンサイトに変態した。マルテンサイト状態において磁場を加えると、バリアント再配列により、S=0.75では磁場方向に収縮し、S=0.88では磁場方向に伸びた。磁場誘起歪におけるこの相違は、結晶磁気異方性が規則度の影響を強く受けるためであると考えられる。実際に、a軸方向と、c軸方向対して磁化測定を行った結果、S=0.75では短軸であるc軸が磁化容易軸であるのに対して、S=0.88では、c軸が磁化困難軸であることを確認した。また、S=0.75の試料では、磁場誘起歪の一部が磁場除去に際して回復し、S=0.88の試料では磁場誘起歪の全てが磁場除去に際して回復した。これに対して、S=0.48では、磁場によるバリアト再配列がおきないことが確認できた。これら3種の規則度の合金に対して、結晶磁気異方性定数と双晶せん断量をそれぞれ磁化測定と回折実験により求め、磁気的なせん断応力を評価し、双晶変形応力と比較したところ、S=0.75とS=0.88においては、前者が後者より大きく、S=0.45では、前者が後者より小さくなっていた。このことより、磁気的なせん断応力と双晶変形応力の大小関係により、磁場によるバリアント再配列挙動が説明可能であることが明確となった。
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Research Products
(4 results)