2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360335
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高杉 隆幸 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (20108567)
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Keywords | 金属間化合物 / 超合金 / 組織安定性 / 熱安定性 / 複相組織 / Ni_3Al / Ni_3V / 耐熱材料 |
Research Abstract |
本年度は、Ni3_Al-Ni_3V擬2元合金系に立脚するマルチ・インターメタリックスin-situ複合材料(すなわちNi基超・超合金)の研究開発を合金設計と組織制御に基づき行うと共に、用途開発についても検討を加え、以下のような結果を得た。 1.高温での長時間保持によっても2重複相組織の安定性が高く、そのため高温強度の劣化(低下)が少ないことを観察した。 2.2重複相組織の強度を支配する組織因子の抽出をはかり、初析L12相の体積率が重要な因子であること、加えて、初析L12相とチャンネル部の界面による効果(すなわち界面強化)が存在することを把握して、それらの強化機構について検討を加えた。 3.本合金の高温工具としての展開を図るために必要な表面強化(硬化)をプラズマ浸炭ならびに窒化により試み、顕著な表面強化(硬化)を発現させることに成功した。これら強化はVCあるいはVN化合物による分散強化によることを明らかにした。 4.Ni_3Si-Ni_3Nb-Ni_3Ti合金系では、構成相間の固溶限の温度変化を利用しての析出強化機構が発現することを観察し、常温域で際立った塑性加工能を有するNi3Si基複相金属間化合物創製の道を切り拓いた。 5.企業あるいは産官学との連携により、本合金のジェットエンジン用タービンブレード、高融点・硬質金属用摩擦攪拌接合ツール、耐熱・耐食ボールベアリング部材への適用を、部材に応じた改良成分と組織の適切化あるいは製造プロセスの開発により行い研究室プロトタイプの製造にまで行った。これにより実用化への一定の道筋をつけることができた。
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