2006 Fiscal Year Annual Research Report
金属腐食反応のミクロ液性変化可視化による新高耐食化原理の導出
Project/Area Number |
18360345
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 泉 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20400278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 信義 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (40111257)
赤尾 昇 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (80222503)
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Keywords | すき間腐食 / 孔食 / 蛍光試薬 / pH / 塩化物イオン |
Research Abstract |
1.腐食環境解析用蛍光試薬の開発 (1)pH感応試薬 金属腐食反応のin-situ解析に適用するため、中性から酸性にかけての広い範囲のpHを、蛍光強度の変化から計測できる試薬を見出すことを目的としている。分光蛍光光度計を用い、酸塩基解離定数の異なる各種有機化合物の蛍光活性の有無とpH依存性を系統的に研究した。その結果、pKa=2.6、pKa=1.5程度で酸性域でも強い蛍光を出す水溶性化合物を見出すことに成功した。また、これら2種類の化合物は、およそ1M以下の塩化物イオン濃度であれば、蛍光強度が塩化物濃度に依存しない特性を有していることも解明した。この特性は、塩化物イオンが濃縮することで生じる「すき間腐食」の初期段階の解析に適用できるものと思われる。 (2)塩化物イオン感応試薬 目的は、1mM〜数M程度までの広い濃度範囲に対応可能な塩化物イオン感応蛍光試薬を見出すことであり、蛍光を発する化合物が塩化物イオンとの相互作用により、蛍光強度が低下する現象の利用を試みた。その結果、生化学分野で用いられているMEQ、SPQなどの試薬は100mM以下の濃度であれば、金属腐食反応の解析にも応用できる可能性があることが分かった。さらに、各種有機化合物を系統的に調査した結果、飽和NaCl(濃度約6M)と飽和MgCl_2(濃度約12M)水溶液中でも蛍光を失わない物質を見出すことに成功し、今後、塩化物イオン濃度応答特性を研究する予定である。 2.蛍光顕微鏡による腐食液性in-situ解析技術の構築 蛍光顕微鏡の試料ステージ上で電気化学計測を行うための特殊マイクロ腐食セル(すき間腐食試験用)を考案し、電気化学計測を行いながらすき間腐食の進行状況を顕微鏡で観察できることを確認した。
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