2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属腐食反応のミクロ液性変化可視化による新高耐食化原理の導出
Project/Area Number |
18360345
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 泉 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20400278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 信義 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40111257)
赤尾 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80222503)
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Keywords | すきま腐食 / 孔食 / 蛍光試薬 / pH / 塩化物イオン |
Research Abstract |
1.腐食環境解析用蛍光試薬の探索 (1)水素イオン濃度(pH):金属腐食反応による広いpH変化に対応するため系統的な調査を行い、pH5〜7.5(Fluorescein)、pH3.7〜6.5(2',7'-difluorofluorescein)、pH2〜3.8(Eosin Y)、pH1〜3(Esculine)、pH0.8〜2.8(化合物A)のpH範囲と適用可能な蛍光pH指示薬を見出した。これらに指示薬に対して、pHと蛍光強度の検量線を作成すると共に、塩化物イオンによる妨害の程度を調べた結果、Eosin YとEsculineは、1M以下の範囲で塩化物イオン濃度の影響を受けないことが分かった。さらに化合物Aは、飽和NaCl水溶液に相当する4M以下であれば塩化物イオン濃度の影響をほとんど受けないことを見出した。 (2)塩化物イオン濃度:SPQ(6-methoxy-N-(3-sulfopropyl)quinolinium)、MEQ(6-methoxy-N-ethylquinoliniumiodide)などに関し探索を実施。その結果、硫酸塩系の化合物のなかから、pH0.5〜3.5の範囲でpHに依存せずに塩化物イオン濃度に対して蛍光強度が変化する物質を見出すことに成功。 2.蛍光顕微鏡による腐食液性in-situ解析技術の構築 pH感応試薬を、腐食試験液に添加し、電気化学計測を行いながらすき間腐食の進行状況を蛍光顕微鏡で観察できるシステムを作製し、腐食液性の経時変化のイメージングを実施。Fe-11Cr鋼に関し、すき間腐食は開口部から1mm程度奥に入った部分で発生し、当該部分のみが脱不働態化pHに達することを確認できた。
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Research Products
(1 results)