2006 Fiscal Year Annual Research Report
3d遷移金属粒子の固溶合金化がもたらすメタン酸化反応活性
Project/Area Number |
18360351
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 一則 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20143828)
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Keywords | 環境技術 / 環境材料 / 構造・機能材料 / 材料加工・処理 / 燃料電池 |
Research Abstract |
メタンに対して電気化学的な直接燃焼により高い発電効率をもたらす固体酸化物燃料電池(SOFC)の開発を目指し、メタン酸化活性を高めるために燃料極サーメットにおいて最適な金属粒子と酸化物電解質の組み合わせを検討した。この金属粒子はメタンに対する電極触媒および燃料電池外部回路への電子伝導体としての役割をそれぞれ果たす。燃料極サーメットの構成金属粒子として3d遷移金属元素同士のNi-Co合金に着目した。出発原料であるNiO-CoO固溶体粒子と電解質粒子(8mol%Y_2O_3-ZrO_2(YSZ)あるいは10mol%Sm_2O_3-CeO_2(SDC))の混合体を電解質ディスク(YSZあるいはSDC)の端面に焼き付けた後に水素還元処理を施し、多孔質燃料極サーメットを形成した。いずれのサーメット燃料極においてもNi_<1-x>CO_x合金組成に対してCoのモル濃度増加にともない発電性能は向上し、X=0.50において最も高い発生電力密度を示した。Ni_<1-x>CO_x合金によるメタンのアノード酸化反応促進効果を、生成ガス分析結果から検討した。低電流密度においてメタンの部分酸化反応が支配的であるが、高電流密度においてメタンは完全酸化反応に移行することを、いずれのサーメット燃料極においても見いだした。交流インピーダンス測定結果から、Ni基サーメット燃料極と比較したNi-Co固溶合金系サーメット燃料極は燃料極と電解質の界面抵抗および燃料極のオーミック抵抗が著しく低く、メタンに対する酸化能促進効果は燃料極における合金粒子と電解質の良好な接合状態によってもたらされることを示した。
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