2007 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度X線の小角散乱強度分布測定による溶鋼中に分散する微小酸化物の粒径分布評価
Project/Area Number |
18360359
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 康 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (90281782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 光兀 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10091729)
三木 貴博 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30312606)
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Keywords | 介在物 / 粒径分布 / 脱酸平衡 / 電子後方散乱 / フラクタル |
Research Abstract |
本研究の目的は溶鋼の温度や酸素濃度変化により溶鋼中に生じる介在物粒径の成長挙動の測定・評価により介在物の成長機構を明らかにし、それにもとづき溶鋼中における介在物を制御することにある。そのために溶融Ti含有溶鋼を対象として(1)Fe-Ti-O系の平衡に関する熱力学的検討、(2)後方電子散乱法による溶鋼中の微少酸化物組成の同定、(3)示差走査熱量分析を用いた発熱測定に基づく核生成挙動の把握、(4)共焦点レーザー顕微鏡による酸化物の成長挙動とそのフラクタル解析、(5)高輝度X線の小角散乱測定による介在物の大きさ、個数およびその空間分布の時間変化について検討した。得られた結果は (1)1550〜1650℃の温度範囲および酸素濃度1ppmまでの範囲におけるFe-Ti-O系の脱酸平衡の各種熱力学的数値を決定した。(2)後方電子散乱法を用い、溶鋼中に存在する10nm程度までの微少Ti酸化物介在物の相同定技術を確立した。(3)溶融Ti含有溶鋼においてTi酸化物生成による発熱ピークが出現することを確認した。(4)溶鋼中に生じた微細介在物および水溶液中に生じるCaCO_3微細粒子の形状をフラクタル理論に基づき検討し、成長過程が拡散律速で支配されるDLAモデルで記述することが出来ることを示した。(5)これまで、溶鋼で安定して測定できる確立システムはなく、1600℃での高温でのX線小角散乱測定を行うため装置の作製・改良を行った。
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