2008 Fiscal Year Annual Research Report
水素循環プロセスのためのPt基モデル触媒表面の構築と反応
Project/Area Number |
18360361
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田山 智正 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20184004)
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Keywords | 燃料電池電極触媒 / 分子線エピタキシ / 一酸化炭素 / Pt / fcc-Fe / 赤外線反射吸収 / 電子線回折 / 昇温脱離 |
Research Abstract |
化石燃料の資源枯渇問題とも相まって、水素を原料とするエネルギー循環システムの構築へ向けた研究のさらなる進展が切望されている。このプロセスが成立するためには数多くの技術的ブレークスルーが不可欠であり、材料科学に課せられた問題も山積している。本研究は効率的な水素発生に必須である触媒開発を念頭にPtをベースとする2元合金モデル触媒表面を構築しその特性を検討する。より具体的には、超高真空中で表面科学の手法に基づき原子レベルで構造を規定したPt-X表面を分子線エピタキシ(MBE)法により作製し、水素循環プロセスを担う水素(H_2)や水蒸気(H_2O)、メタノール(CH_3OH)、また副次的に算出される一酸化炭素(CO)の触媒表面における分子論的振る舞いと作製プロセスの関連を明らかにする。 昨年度に引き続き、清浄Pt(111)基板に対してFeをMBE堆積し、COを吸着させた場合の赤外バンドの振動数および昇温脱離(TPD)スペクトルにおける脱離ピーク温度に基づいて基板上におけFeの成長様式とPt-Fe合金化が及ぼすCOの吸着・脱離挙動への影響を検討した。その結果、Fe積時の基板温度が高いほど、Pt原子の表面偏析によって蒸着Fe原子上にPt単原子層が形成されやくなることがわかった。そのようなPt表面層においては、吸着CO赤外バンドのピーク振動数は、清浄Pt(111)に比較し30-40cm_<-1>程度低波数側に位置する。またTPD脱離ピーク温度は15Kほど低した。さらに清浄Pt(100)基板上においても同様の検討を行い、Pt(111)基板に比較して低温でも合金化が進行し、いずれの場合もPt-Fe合金化によりCO被毒が改善されることを結論した。
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