2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360363
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安斎 浩一 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (40232087)
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Keywords | 鋳造 / シミュレーション工学 / 凝固解析 / 湯流れ解析 / 変形解析 |
Research Abstract |
鋳造は伝熱・凝固・湯流れ・変形など多くの現象が複雑に絡み合っており,その全てを同時に解かない限り,欠陥の予測はあくまで間接的なものに過ぎなくなってしまう.現在市販されているソフトに多用されるオイラー系格子法では上記の現象を同時に解くのは原理的に困難である一方,近年開発され,急速に発展を見せている粒子法によれば,これらの現象をすべて連成させ,統合的に解析を行う近道であると考えられる.そこで,本研究では鋳造分野にほとんど適用されていない粒子法の基礎から開発・検討を行い,鋳造分野への適用性を検討した. 本年度は湯流れ・凝固連成解析に,密度の温度依存性を導入し,単純形状鋳物に生じるさまざまな引け巣の形成挙動の解析を行った.これにより,従来法では解析が困難であったブリッジング欠陥を再現できた.本手法は固相と液相に分けて解析する手法を採用した.その際,本来固相部には熱応力解析を採用すべきところを湯流れ解析で代用する手法を考案したが,これは熱応力解析を開発することで容易に固相部の解析精度の向上が期待できることを示しており,粒子法の発展性を示すことができたといえる。また溶存ガス量を計算することによりポロシティの発生判定を行い,ポロシティ量に応じて鋳物の収縮量が変化するモデルを開発し,ポロシティが発生することによる引け形態への影響を考慮した解析を行った.既往の実験結果と比較することで,従来法では困難であった連成問題である,水素ポロシティが鋳物の引け形状に与える影響も良く再現できることがわかった.
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