2007 Fiscal Year Annual Research Report
サブハライドを原料として利用するチタンの高速製造法
Project/Area Number |
18360365
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 徹 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授 (00280884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 譲 東北大学, 工学研究科, 教授 (80108464)
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Keywords | チタン / 還元プロセス |
Research Abstract |
資源が豊富であるにも関らずチタン(Ti)が量産金属として普及しないのは,チタン酸化物を還元して高純度のチタンを得ることが困難で製造コストが高いからである。工業的には,四塩化チタン(TiCl_4)を金属マグネシウム(Mg)で還元するクロール法が用いられているが,四塩化チタンを原料とした還元反応は反応熱が大きく反応容器の温度制御を必要とするため,還元反応の高速化を見込めない。さらに,還元された金属チタンが鋼製容器に固着するため,還元プロセスの連続化を実現できない。したがって,チタンの量産性を向上させるためには,高速化と連続化の課題を克服する新しいタイプの還元プロセスを開発することが必要不可欠となる。 そこで本研究では,サブハライド(チタンの低級塩化物,Ticlx,X=2,3)を原料とし高速かつ(半)連続的にチタンを還元する画期的な新還元プロセスを確立することを目的とする。特に,チタン製容器を用いてサブハライドを還元する手法と,クロール法と同程度の純度のチタンを製造する手法の確立を行う。 平成19年度は,サブハライドを原料とした還元反応をサポートするための検討課題について研究を行った。原料となるサブハライドの製造法および濃縮法に関する研究においては,(1)TiCl4と金属チタン(チタン,スクラップ)との反応によるサブハライドの生成反応が溶融塩(MgCl_2中において高效率で進形すること,(2)溶融塩中で温度勾配をつけると低温部へのTiCl_xの濃縮が可能なことの2点を明らかとし,サブハライドの高効率製造法の基盤技術の確立を行った。また,還元反応後に生成するチタンと反応副生物の分離プロセスに関す研究を行い,還元反応後に反応副生成物MgCl_2と余剰の金属マグネシウムを真空蒸留することで,リーチング処理を行わずに生成チタン粉末を回収する技術の開発を行った。
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Research Products
(3 results)