2008 Fiscal Year Annual Research Report
サブハライドを原料として利用するチタンの高速製造法
Project/Area Number |
18360365
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 徹 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (00280884)
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Keywords | チタン / サブハライド / 還元プロセス |
Research Abstract |
資源が豊富であるにも関らずチタン(Ti)が量産金属として普及しないのは、チタン酸化物を還元して高純度のチタンを得ることが困難で製造コストが高いからである。工業的には、四塩化チタン(TiClρを金属マグネシウム(Mg)で還元するクロール法が用いられているが、四塩化チタンを原料とした還元反応は反応熱が大きく反応容器の温度制御を必要とするため、還元反応の高速化を見込めない。さらに、還元された金属チタンが鉄鋼製容器に固着するため、還元プロセスの連続化を実現できない。したがって、チタンの量産性を向上させるためには、高速化と連続化の課題を克服する新しいタイプの還元プロセスを開発することが必要不可欠となる。 そこで本研究では、サブハライド(チタンの低級塩化物、TiClx,x=2,3)を原料とし高速かつ(半)連続的にチタンを還元する画期的な新還元プロセスを確立することを目的とする。特に、チタン製容器を用いてサブハライドを還元する手法と、クロール法と同程度の純度のチタンを製造する手法の確立を行う。 平成20年度は、チタン製容器を用いてマグネシウムによる二塩化チタン(TiGl2)のサブハライド還元を行い、還元反応の反応解析を行うことで、プロセスの有効性の評価を行った。反応条件と生成チタン純度との関係に関しては、TiCl2を原料にしたサブハライド還元法ではTiCl2/Tiが平衡して存在できるために、鉄鋼製容器に替わってチタン製容器を利用することができたので、不純物濃度(特に鉄濃度)の低い高純度チタンを製造することができた。また、チタンの生成速度の評価では、クロール法とのチタン生成速度の比較を行った結果、本手法における単位面積あたりのチタンの生成速度がクロール法と比して極めて高く、本プロセスが高速還元プロセスとして適していることを実証した。
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Research Products
(7 results)