2009 Fiscal Year Annual Research Report
サブハライドを原料として利用するチタンの高速製造法
Project/Area Number |
18360365
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 徹 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (00280884)
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Keywords | チタン / 非鉄製錬 / 還元プロセス / 塩化物 / マグネシウム / レアメタル |
Research Abstract |
資源が豊富であるにも関わらず、チタンは他の量産金属に比して生産量が少なく普及が遅れている。その原因は、現在の工業的なチタン製造法には四塩化チタン(TiCl_4)のマグネシウム(Mg)還元法(クロール法)が採用されているが、還元プロセスにおける反応熱が大きく、また生成した固体チタンが鋼鉄製反応容器内部に固着するために、プロセスの高速化・連続化ができず生産性が非常に低いためである。したがって、チタンの量産化を図るためには、高速化と連続化を達成する新しいタイプの還元プロセスの開発が必要不可欠である。本研究ではサブハライド(チタンの低級塩化物)を原料として用い、チタンを高速かつ低コストで(半)連続的に製造する独創的な新還元プロセスを確立することを目的とした。特に、チタン製容器を用いてサブハライドを還元する手法と、クロール法と同程度の純度のチタンを製造する手法の確立を目指した実験を行った。 これまでの研究においては、低級塩化物としてTiCl_2を用いていたが、本年度においてはTiCl_3を用いたサブハライド還元を実施した。TiCl_3のマグネシウム還元反応は、0.54kg/m^3・s程度であることが明らかとなった。この反応速度は、TiCl_2を用いた場合と同程度であり、クロール法におけるチタンの生成速度に比べて極めて速い。高速な還元プロセスとしてTiCl_3のマグネシウム還元も高速な還元プロセスとして適していることを実験的に実証した。得られたチタンの純度は99%以上であった。機械的分離法と真空分離を組み合わせるた反応生成物の分離プロセスについても検討を行い、真空分離のみの場合に比べて反応生成物をより効率良く除去できることがわかった。
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Research Products
(7 results)