2007 Fiscal Year Annual Research Report
溶融酸化物の直接還元・電解再生型製造法による水素吸蔵用高純度バナジウムの製造
Project/Area Number |
18360367
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 亮輔 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (80179275)
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Keywords | バナジウム / 酸化物 / 直接還元 / 電気分解 / 塩化カルシウム / 酸素濃度 / OS法 |
Research Abstract |
溶融酸化バナジウム(V_2O_5)原料から金属バナジウム(V)を直接製造する新プロセスを開発している。溶融塩に溶けているCaによって固体酸化物を直接金属に還元する(A)と共に、副生成物のCaOを電気分解でCaに再生する(B)、という、工程(A)と(B)、を一体化した酸化物直接還元・電解再生型製造法(以下OS法と称する)をさらに発展させ、固体酸化物のみならずVの液体酸化物であるV_2O_5の直接還元に取り組んでいる。 溶融CaCl_2中でOS法を適用し、昨年度の調査に基づき最適な電極配置、最適な陰極材料MoとVを適宜使い分けて電解・還元実験を行った。還元の途中の相変化を中心に検討したところ、還元初期にはCa-V-Oの複合酸化物を経由して金属Vが生成していた。還元後期は主として金属Vからの脱酸反応であるにもかかわらず、試料中の酸素濃度の減少は投入電気量に対して実験時間の全域で一つの実験式で表現されることから反応の律速段階はCaもしくはCaOの溶融CaCl_2中への拡散であると推論した。 また陽極から発生するガス分析に挑戦し、還元初期にはCO_2が主たる排ガスであるが、還元の進行と共にCOガスの濃度が増加することを見出した。酸素ガスは10ppm以下とほとんど検出されなかったので、FFC機構では説明しづらい。陽極表面で発生したCO_2が溶融塩表面に浮上し、炭素電極かCaと反応してCOとC粉末に還元されると考察している。これはOS法では還元後期に電流効率が低下することと符合する。
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Research Products
(16 results)