2006 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池の多孔性三相膜電極接合体でのイオンと水の輸送機構
Project/Area Number |
18360371
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
須藤 雅夫 静岡大学, 工学部, 教授 (80154615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 泰則 静岡大学, 工学部, 教授 (90204007)
武田 和宏 静岡大学, 工学部, 助教授 (60274502)
金森 敏幸 静岡大学, 産学総合研究所・バイオニクス研究センター, 研究チーム長 (50356797)
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Keywords | 燃料電池 / ナノ材料 / 膜 / 膜電極接合体 / 水輸送 |
Research Abstract |
本研究では新たな作製方法である転写法と従来のペースト法で作製した電極の比較をし、常温、常圧、パッシブ形DMFCの発電特性評価及びDMFC中の水分量評価により、フラッディング現象の影響と水の挙動評価を目的とした。 ガス供給型DMFC発電評価より、転写法電極単体では燃料、酸素供給時に電極が剥離してしまうが電極の裏にカーボンクロスをあてることで電極強度が上がり、電極の剥離を防ぐことが明らかになった。液供給型DMFC発電実験を用いた転写法電極の比較評価より、グラファイト粒径50μmを用いたTM3で最大出力密度43mW/cm^2であった。またインピーダンス評価よりTM3は酸素の供給律速過程に起因する抵抗R_3が0.09Ωcm^2、バルク内の濡れ性に起因する容量C_3が0.011F/cm^2と、ともに著しく低い値であったことからTM3はフラッディング抑制効果のある電極であることが明らかになった。パッシブ形DMFCによる放電評価より、定電流30mA/cm^2による放電では放電時間・燃料利用率がPMEでは0.06h,0.9%、TM3では1.92h,29.8%であった。TM3は高い電流値でも燃料利用率を維持できることが明らかになった。パッシブ形DMFCの水輸送測定より、従来の電極PMEではカソードで生成した水が触媒支持層に滞留後、触媒層に拡散し、その後アノードに逆拡散することが明らかになった。また、転写法電極TM3ではカソードへの滞留はなく常に水を大気中に放出していることが明らかになった。 以上より、転写法を用いることによりフラッディング抑制効果のある電極を作製できた。また、この電極はパッシブ形DMFCに適していることが分かった。
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Research Products
(7 results)