Research Abstract |
本研究では膜電極接合体(MEA)の薄層化を行い,セル性能の活性を維持させたまま,触媒量の低減を目指した。なお,触媒活性向上が期待できることから,カソードにスパッタPt担持を,アノードにもスパッタPt-Ru担持を行い,薄層化多層MEAの可能性を検討した。カソード基材にNCBインクを塗布することにより,電流密度,質量活性,出力密度が向上することが分かった。CSはSL-CCに対し,触媒層の影響を受けやすいことが分かった。。NCBインクはナフィオン膜と接していないスパッタリング担持したPtを活性化させることを確認した。薄層化多層スパッタアノード電極(1:1:60)はPt-Ru担持量が0.24mgcm-2であり,従来のペースト電極はPt-Ru担持量が2.0mgcm-2であることから,触媒量を約1/10に減少させながら匹敵するセル性能を持つことに成功した。つまり,薄層化多層スパッタ電極(1:1:60)は従来のペースト電極に比べ,質量活性で5.4倍を達成した。薄層化多層スパッタ電極(1:1:60)は,同担持量のスパッタ電極に対して,短絡電流密度で約2倍,質量活性,最大出力密度で約3倍を達成した。つまり,結言7及び8より,薄層化多層構造は短絡電流密度と質量活性を大きく向上させる。触媒層が二次元構造から三次元構造化させる電極の薄層多層化は,触媒担持量を大幅こ減少させながら,セル性能を大きく向上させた。従来の3次元シミュレーションコードを気液二相流の解析が可能なよう拡張しその結果限界電流密度の算出が可能となった。また同時に触媒層の考慮も行い,既往の実験結果をより良好に説明しうるようになった。また,燃料電池の最適起動シーケンスを求めるために,燃料電池システムをモデル予測制御する動的シミュレータの開発に着手した。モデル予測制御により,高分子膜に負担を掛けない範囲で起動時間を最短にするシーケンスが求められた。
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