2008 Fiscal Year Annual Research Report
制限空間内での外部印加電場の重畳を利用したコロイドナノ粒子の3次元集団構造制御
Project/Area Number |
18360372
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮原 稔 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (60200200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 哲 京都大学, 工学研究科, 助教 (80402957)
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Keywords | ナノ材料 / 自己組織化 / デンドリマー / コロイド結晶 / 制限空間 / 直流電圧 / スリット |
Research Abstract |
ナノサイズ粒子により構成される微粒子集合体材料は,従前にない高機能の発現などが期待されることから,その構造制御法の確立が重要な課題となっている。本研究では,デンドライトをナノ粒子の生成場および保護層として活用することで,高い表面活性を保ちつつ分散安定化を可能とし,「外部電場」と「制限空間」とを組み合わせることで,制限空間内で重畳した特有の引力場を創出し,ナノ粒子集団構造の秩序性を制御しうる手法を構築することを目指す。さらにBrown動力学シミュレーションを活用した理論的検討も加え,制限空間内の秩序構造形成過程を印加電位,粒子の物性から予測可能な手法を構築するのである。本年度,行った検討は以下の通りである。 1. 実験的検討 前年度に行なってきた,透明導電基板間にスペーサを挟み込むことにより創出したスリット空間内での電場印加時における規則構造形成過程について,印加電位・塩濃度を変化させ,その依存性を詳細に検討した。その結果、印加電圧および塩濃度を大きくすると飛躍的に結晶成長速度が速くなる事を見出した。そして作製したコロイド結晶を重力と振動を用いて崩壊させることにより、コロイド結晶の形成と崩壊を可逆的に制御することに成功した。 2. シミュレーションを用いたモデル化検討 脱塩過程における単分散コロイド粒子分散液の秩序構造形成過程をBrown動力学法によりシミュレートした。その結果、脱塩速度が大きいと相転移は起こらず秩序構造は形成されないが、脱塩速度が小さいとBCC構造を経てから,FCC構造が形成される様子を確認した。さらに,秩序構造は、粒子に働く力が閾値を越えると発現し、その閾値は塩濃度に依存せず共通の値を持つことを見出した。
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Research Products
(5 results)