2008 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロスプレー分子インプリント法による光学分割膜の創製
Project/Area Number |
18360373
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 正和 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (60158417)
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Keywords | 分子認識 / 反応・分離工学 / 分子インプリント / 光学分割 / エレクトロスプレーデポジション |
Research Abstract |
酢酸セルロースからの分子インプリントナノファイバー膜の創成を中心に研究課題を遂行した。アセチル化度40%の酢酸セルロースを候補物質に採用し、D-体あるいはL-体のグルタミン酸誘導体を鋳型分子に用いて、ファイバー径が200-500nmの分子インプリントナノファイバー膜を創成した。得られたそれぞれの分子インプリントナノファイバー膜は、ラセミグルタミン酸混合物より、鋳型分子と同じ絶対配置をもつグルタミン酸を不斉認識し膜内へ選択的に取り込むと共に、優先的に膜輸送した。吸着選択性ならびに透過選択性の基質濃度依存性より、膜内に基質特異的に不斉認識する部位が構築されており、これにより光学分割が行なわれていることが明らかになった。また、一般に、膜輸送における透過選択性と透過流束とはトレードオフの関係にあるが、本研究課題遂行により創成された分子インプリントナノファイバー膜は、従来の簡易分子インプリント法により創成された分子インプリント膜と比較して、その透過選択性を顕著に低下させることなく、透過流束を3桁向上することができた。 また、新たな分子インプリントナノファイバー膜素材として、グルタミル残基ならびにアスパラティル残基を主鎖にもつキラルポリアミドの創成も行なった。
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Research Products
(5 results)