2007 Fiscal Year Annual Research Report
気相法による表面形成においてナノサイズクラスターの推積が果たす役割の解明
Project/Area Number |
18360376
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 学 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (70178953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 喜久夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00101197)
ウレット レンゴロ 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (10304403)
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Keywords | ドライプロセス / ナノ粒子 / エアロゾル / 薄膜 / 輸送現象 / 付着 / プラズマ場 |
Research Abstract |
本研究では、薄膜形成のためのドライプロセスにおいて、クラスター状の気中浮遊物質の堆積が有効となったり、あるいは望ましくなくなったりする条件を明らかにするために、クラスターおよびナノ粒子を固体表面に気相輸送し、付着させて、これにより生じる薄膜の形態などの性状と付着・堆積条件との関係を、主に実験的に解明することを目的として研究を行った。本年度の研究成果の概要は、以下のとおりである。 1.前年度作成した堆積装置を用いて、数十〜数nmの金属および金属酸化物ナノ粒子・クラスターを堆積させる実験を行った。この実験のために、プラズマ法等を用いてサイズ、濃度の異なるナノ粒子・クラスターを発生させ、さらにガスの流速、圧力、プラズマ条件、基板温度も変化させられるように装置に改良を加えた。 2.堆積条件および堆積時間を変えた堆積実験後の基板表面ならびに断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、形態の評価および成膜速度の計測を行った。また、原子間力顕微鏡による表面プロファイルや、分光法による組成の計測も行った。その結果、ナノ粒子・クラスターが、基板上に離散的に付着し始める堆積初期段階の後に、表面でのマイグレーション等による島状構造の形成を経て、平坦膜の形成あるいは柱状構造を有する膜の形成を行う過程を実験的に明らかにすることができた。また、堆積条件と膜の形態の相関を検討し、粒子・クラスターのサイズのみならず、それらが堆積する頻度が、ガス圧力、基板温度とともに膜の性状に大きな影響を与えることがわかった。 3.クラスターの気相中での輸送条件とともに、表面に到達したクラスターの表面移動を考慮した薄膜形態の形成過程について考察し、上述の実験結果との比較にもとづいて、その妥当性を検証した。
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Research Products
(6 results)