2006 Fiscal Year Annual Research Report
担持酸化ニッケル触媒によるエタン・プロパンの酸化的脱水素によるオレフィン製造
Project/Area Number |
18360382
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鈴木 俊光 関西大学, 工学部, 教授 (70026045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池永 直樹 関西大学, 工学部, 助教授 (20232209)
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Keywords | エチレン / プロピレン / 脱水素 / ニッケル / 酸化マグネシウム / 酸化ジルコニウム / 酸化ビスマス / 触媒反応 |
Research Abstract |
ニッケル酸化物を酸化マグネシウム(MgO)、または酸化ジルコニウム(ZrO_2)に担持した触媒を用いてエタン、およびプロパンの脱水素反応を酸素存在下に行った。エタンの脱水素にはNiO担持MgO触媒が高いエタン転化率とエチレンへの選択性を示した。担体に用いるMGOの比表面積がエチレン選択性に大きな影響を与えることがわかった。反応前後の触媒の光電子スペクトルの解析により、低比表面積のMgOに担持されNiOはエタンとの反応中に還元されて、金属Niになりエタンの部分酸化により合成ガスが生成した。 一方、高比表面積のMgOを用いたときには、反応中にNiOは大部分がNiOの状態に保たれ、高い選択性でエチレンを与えることがわかった。 プロパンの脱水素に同じ触媒を用いたが、ほとんどプロパンは反応しなかった。活性金属をNiとして、種々の担体の影響を検討したが、シリカ、酸化ジルコニウムのみがプロピレンを与えた。しかし、プロピレンへの選択性も低く、CO_2が多量に生成した。シリカはプロピレンへの選択性は高かったが、反応中に触媒層への炭素析出が起こったので、Ni担持酸化ジルコニウム触媒によるプロピレン選択性向上を目標に、第3成分の添加効果を検討した。SbOxおよびBi_2O_3の添加がプロピレン選択性向上に有効であり、反応温度を,500℃に上昇すると、プロパン転化率、17.3%プロピレン選択率54.1%を達成できた。触媒上のBiの形態を光電子スペクトルにより検討したところ、反応中にBi_2O_3の表面が還元されて、Bi金属になることが分かった。Bi金属は反応中にBi_2O_3に酸化されることが認められ、これらのことから、Bi_2O_3の添加効果はNiの酸化状態をNiOに保ち、酸化的脱水素の活性を維持するものと推察された。
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