2008 Fiscal Year Annual Research Report
電子励起された酸化物等の固体表面を用いた常温常圧触媒反応の研究
Project/Area Number |
18360390
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
関根 泰 Waseda University, 理工学術院, 准教授 (20302771)
|
Keywords | 非平衡放電 / メタンの酸化 / 触媒 / 低温化 / 水素製造 |
Research Abstract |
現行の触媒反応は、反応温度が高く熱ロス、廃熱が問題になる。このような問題の解決策として、従来の触媒反応を静電場印加反応場中で行う反応を検討した。静電場印加により触媒や原料分子を活性化させ熱のみでの触媒反応では不可能だった低温域での反応を期待した。エタノールの水蒸気改質反応では、静電場印加により、いずれの触媒においても転化率が大幅に上昇した。上昇幅はPd、Rh、Ptの順で大きく、静電場印加によって150K以上低温化した。また、生成物選択性よりエタノールの水蒸気改質反応は、脱水素反応によりアセトアルデヒドが生成し、次に分解および水蒸気改質されてCO、CH4、H2が生成した。その後、COの水性ガスシフト反応により、CO2およびH2が生成した。以上のような反応経路は担持金属によって多少の差異は見られたものの、いずれの触媒においても静電場の印加によって水素生成量の増加する方向に変化し、総括での水蒸気改質反応が促進された。 またエタノール分解反応においても静電場印加によって、転化率は上昇した。しかし、その上昇幅はエタノール水蒸気改質反応よりも小さかったことから、反応系における水の存在が静電場効果を高めた可能性が示唆された。水性ガスシフト反応においても静電場印加により、転化率は大幅に上昇した。生成物はCO2とH2がほぼ1:1で生成した。メタンの水蒸気改質反応は温域では熱力学的に進行しないのだが、静電場を印加することによって転化率はRh / CeO2において最大30%程度まで上昇した。生成物はCO、CO2およびH2であった。 静電場の印加によって、行ったモデル反応全てにおいて転化率が上昇した。このことから従来の触媒反応では不可能な低温域での反応が可能となった。また、静電場印加によって反応経路に変化が生じる可能性が示唆された。
|