2007 Fiscal Year Annual Research Report
生殖工学的手法によるトランスジェニックニワトリ作製の改良
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18360393
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯島 信司 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (00168056)
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Keywords | トランスジェニックニワトリ / 始原生殖細胞 / レトロウイルスベクター / エリスロポイエチン |
Research Abstract |
ニワトリ始原生殖細胞を精製した後、試験管内でレトロウイルスベクターを導入し、胚に移植することによりトランスジェニックニワトリを作製することを試みた。まず孵卵2.5日胚より始原生殖細胞を、抗SSEA-1抗体を固定した担体を用いた磁気分離により精製した。この始原生殖細胞にレトロウイルスベクターを感染させた後、抜血によりレシピエント由来の始原生殖細胞を除去すると同時に遺伝子組換え細胞を血管より導入した。計11回の実験で、操作胚のうち66胚が孵化し、21個体が性成熟した。このうちオス個体8より精子を調製し、精子中の導入遺伝子コピー数を測定した所、0〜0.012であった。一方、メスを含め血液細胞中のキメラ率の最高値は0.0183であった。現在、これらの個体のかけあわせによりトランスジェニックニワトリを取得することを試みている。今後、種々の発達段階の始原生殖細胞についてサイレンシングを含め検討する予定である。 一方、強力なプロモーターにより遺伝子サイレンシングを打破し、卵白に目的物質を大量生産することを最終目標に、既に我々が開発したOVAエンハンサー・tet発現装置・CMV最小プロモーターよりなるハイブリッドプロモーターの利用を試みた。このプロモーターの下流に内部リボソーム結合部位を介して、ヒトエリスロポイエチン及びtetアクチベータ遺伝子を連結したベクターを作製しニワトリに導入したところ、エリスロポイエチンの卵白特異的な発現が見られたが、発現量はよく使用されるアクチンプロモーターの半分程であった。
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