2007 Fiscal Year Annual Research Report
光学分割機能を組み込んだキラル合成用マイクロバイオリアクーシステムの構築
Project/Area Number |
18360397
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川上 幸衛 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (70091345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 芳夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80176528)
境 慎司 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (20359938)
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Keywords | 生物・生体工学 / 生体触媒 / マイクロバイオリアクター / シリカモノリス / 光学分割 / リパーゼ / 反応・分離 / ゾルーゲル法 |
Research Abstract |
(R,S)-1-フェニルエタールと酪酸ビニル間のエステル交換による酪酸フェネチルエステル合成をテスト反応として、反応・分離一体型マイクロバイオリアクターシステムの再構築を目指した。 1.高性能マイクロパイオリアクターの設計 本反応に有効なリパーゼ種および水分量に関する検討を行った結果、Candida rugosa由来のリパーゼが最も高い活性を与え、最適な水分活量は0.44であることがわかった。 リパーゼの活性向上に最も効果的なゾルーゲルシリカ中のアルキル基は、昨年度のグリシドール系と同様、n-ブチル基であった。また、フェニルエタノールのシリカ上への吸着量はグリシドールの約5分の1であって、パルスリアクター操作に支障が少ないことが示された。 昨年度開発した二段階ゾルーゲル法により、PEEKチューブ中に形成させたメチル基含有シリカモノリスの内部表面に、リパーゼを含む最適量のブチル基含有シリカを塗布し、リパーゼ固定化シリカモノリスマイクロバイオリアクターを作製した。その高い反応効率を、基質溶液の連続供給を伴う定常状態操作によって確かめた。 2.パルスリアクターと反応・分離-体型システムの性能試験 両基質溶液のパルス供給に対するリアクター出口のエステル生成物濃度の測定より、原料流量、リパーゼ充填量、カラム長さなどの最適化を行った。次に、マイクロバイオリアクターを市販の光学分割カラム(ダイセル化学、Chiralcel 0J-H)に直列結合し、ラセミ体エステルの分離を試みた。その結果、システム滞留時間としては、S体が25.2分、R体が26.9分となり、両エナンチオマーがほぼ分離できることが実証された。 3.キラル分離材の合成 一本のカラム中でワンステップの反応・分離を行う前段階として、キラル分離材となる多糖類カルバメート誘導体の合成を行った。
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