2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナイロンオリゴマー分解酵素の立体構造解析と人工アミド合成への応用
Project/Area Number |
18360400
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
根来 誠司 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 教授 (90156159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武尾 正弘 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40236443)
加藤 太一郎 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 助手 (60423901)
樋口 芳樹 兵庫県立大学, 大学院生命理学研究科, 教授 (90183574)
柴田 直樹 兵庫県立大学, 大学院生命理学研究科, 助教授 (30295753)
中野 英彦 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 教授 (20047608)
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Keywords | ナイロンオリゴマー / Agromyces / Kokuria / 6-aminohexanoate-oligomer hydrolase / X線結晶構造解析 / Ntn amidohydrolase / 6-アミノカプロン酸 / Arthrobacter |
Research Abstract |
Endo-type 6-aminohexanoate oligomer hydrolase(EIII)は、重合度3以上の6-アミノカプロン酸オリゴマー(ナイロン工業副産物)を加水分解する酵素であり、中性菌(Arthrobacter sp.KI72株)と好アルカリ性菌(Agromyces sp.KY5R株、Kokuria sp.KY2株)に見いだされている。これらのEIIIはアミノ酸レベルで95%以上の相同性を示すが、触媒効率(Vm/Km)、至適pH、熱安定性が異なり、構造・機能相関を理解する上で興味深い。本年度は、立体構造に基づいて触媒・熱安定化機構を解明するため、KI72株のプラスミドpOAD2にコードされるEIII(P-EIII)の結晶化条件の検討、得られた結晶を用いた立体構造解析、および変異酵素を用いたアミノ酸置換効果について検討した。P-EIIIの結晶化条件は、既に得られていたAgromyces sp.KY5R株のEIII(A-EIII)を基に最適化した。得られた結晶を用いて、SPring8においてX線回折強度を測定し、立体構造を決定した。その結果、EIIIは分子内部のAsn266/Thr267間の特異的切断で生じるN末端アミノ酸が触媒基となるN-terminal nucleophile (Ntn) amidohydrolase superfamilyに属し、Thr267が触媒基と推定できた。A-EIIIとP-EIIIとの間で相異なる5残基の中で4残基はThr267から20Å以上離れているが、111番目の残基は触媒クレフトの対面に位置し、各々Ser(A-EIII)、Gly(P-EIII)であった。従って、この相違が、A-EIIIの触媒機能(Vm/Km)がP-EIIIより20倍以上高い要因と考えられた。また、Thr267から2.8Å離れてAsp306が存在するが、Ala267変異により、酵素活性は1/1000以下に低下し、Thr267とAsp306を含む水素結合ネットワークが触媒機能に重要であると推定できた。
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Research Products
(6 results)