2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナイロンオリゴマー分解酵素の立体構造解析と人工アミド合成への応用
Project/Area Number |
18360400
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
根来 誠司 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 教授 (90156159)
|
Keywords | ナイロンオリゴマー / Arthrobacter / N-terminal nucleophile hydrolase / X線結晶構造解析 / 6-アミノカプロン酸 / 6-Aminohexanoate oligomer |
Research Abstract |
エンド型ナイロンオリゴマー分解酵素(Ny1C)は、3量体以上の直鎖状及び環状のナイロンオリゴマーを特異的に分解する酵素で、中性菌Arthrobacter(プラスミドpOAD2保持株)(p2-Ny1C)及び好アルカリ性菌Agromyces(A-Ny1C)から見出されている。両者はアミノ酸レベルで95%以上の相同性があるが、熱安定性は15℃、kcat/Kmは約13倍と触媒機能及び熱安定性に大きな差を有する。本研究では、Ny1Cの触媒機能と熱安定性に及ぼすアミノ酸置換効果を解明するため、両者で異なる5つのアミノ酸(Gly111→Ser、Asp122→Gly、His130→Tyr、Leu137→Ala、Va1225→Met)に焦点を絞り、部位特異的変異導入法によりアミノ酸置換を行い、得られた変異酵素について速度論的パラメータの算出、熱安定性試験、X線立体構造解析及びCD測定を行った。その結果、特に、122番目のアミノ酸残基が触媒機能及び熱安定性に大きく影響を与えるとともに、130番目のアミノ酸との組み合わせで、耐熱性が親型p2-Ny1Cより約30℃上昇し、75℃まで安定化することを明らかにした。さらに、熱安定化効果を立体構造レベルで解析するため、D122G変異酵素のX線結晶構造解析を行った。p2-Ny1CのAsp^<122>は、隣接サブユットのGlu^<115>と非常に近い位置(2.45Å)にあり、Asp^<122>-COO^-とGlu^<115>-COO^-間との静電的反発により不安定化しているが、Gly^<122>への置換で同要因が解消されると推定できた。また、同置換に伴いLys^<159>の電子密度が明瞭となり、隣接サブユットのGlu^<115>との静電的安定化効果を増強すると推定した。また、D122G付近の水素結合ネットワークが増強していた。以上のように、Asp^<122>→Glyは1アミノ酸置換であるが、周辺の静電的相互作用及び水素結合ネットワークに影響を与え、タンパク質安定化に大きく寄与すると考えられた。
|
Research Products
(7 results)
-
-
[Journal Article] Mechanism of 4-nitrophenol oxidation in Rhodococcus sp. Strain PN1 : characterization of the two-component 4-nitrophenol hydroxylase and regulation of its expression2008
Author(s)
Takeo, M., Murakami, M., Niihara, S., Yamamoto, K. Kato, D., Negoro, S.
-
Journal Title
Journal of Bacteriology 190
Pages: 7367-7374
Peer Reviewed
-
-
-
-
-