2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360401
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
木野 邦器 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60318764)
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Keywords | 微生物ゲノム / ゲノム工学 / 生物機能工学 / バイオ生産プロセス / 酵素利用学 |
Research Abstract |
アミノ酸に水酸基が結合したヒドロキシアミノ酸は種々の生理活性を有することが示唆されており、医薬品およびその合成中間体としての用途が期待されている。アミノ酸水酸化酵素の効率的探索技術の開発と応用を目的として、本年度は、文献情報およびゲノム配列情報に基づいてアミノ酸水酸化酵素遺伝子を収集し、モデル酵素反応系を確立するとともに探索技術の基盤を構築した。一例として、Chromobacterium violaceum由来フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)遺伝子をクローニングし、大腸菌内で発現させた当該組換え酵素に対し効率的な活性発現システムとその活性評価系を確立した。PAHの基質特性を評価したところ、トリプトファンに対してもわずかであるが活性を有し、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)を生成することを確認した。5-HTPは抗精神病薬としての効能が明らかにされており、医薬品や健康サプリメントとして期待されている。本研究では、効率的生産方法が求められている5-HTPの合成活性の向上した変異酵素取得を目的に検討を行い、5-HTPを特異的に検出可能な呈色法の確立に成功した。現在、この呈色法を用いて、PAH変異導入株の評価を実施している。一方、質量分析装置を用いたアミノ酸検出の可能な条件も確立しており、現在、一斉解析方法の詳細について検討中である。今後は、収集したアミノ酸水酸化酵素遺伝子およびその相同遺伝子への変異導入やこれらの配列情報をもとに自然界から直接遺伝子をクローニングする手法を開発して酵素ライブラリーを構築し、呈色法および質量分析装置を用いた評価システムを駆使して、有用アミノ酸水酸化酵素の取得を目指す。
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