2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360424
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
櫻井 昭男 独立行政法人海上技術安全研究所, 大阪支所, グループ長 (20373417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 正夫 独立行政法人海上技術安全研究所, 大阪支所, 主任研究員 (80399526)
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Keywords | 熱可塑性複合材料 / ステッチボンド / ガラス繊維 / ポリプロピレン / 真空バッグ成形 / シリコンゴム / ビルドアップ法 / 船体構造 |
Research Abstract |
マテリアルリサイクルが比較的容易な熱可塑性樹脂をガラス繊維で強化したFRTP(熱可塑性樹脂複合材料)を船体用構造材として使用したいという要請が高まっている。一方、そのような強度部材としてFRTPを使用する際には、応力を分担するガラス繊維が切れ目のない長繊維であり、またその長繊維の配置方向を応力状態に合わせてコントロールする必要がある。そこで、織りの自由度が高いステッチポンド基材(長繊維をポリエステル糸などの細糸で編み止めたもの)と熱可塑性樹脂を用いて、船体のような三次元形状に簡便に成形できる技術を確立することを目的として、本年度はステッチボンドFRTP成形板の強度評価とともに、真空バッグ成形法に不可欠なエラストマー系シートの適性を調べた。 1.ステッチボンドFRTPの強度評価 ステッチボンドFRTPは、最新鋭の多軸編機によるガラス繊維ステッチボンド基材にポリプロピレンを加熱プレス機により溶融含浸して製作した。比較のために、一方向ガラスFRTPシートあるいはガラスFRTPテープを短く裁断した材料も成形評価した。その結果、ステッチボンドFRTPが成形作業性に優れ、機械的強度も短繊維強化材に比べて1桁大きい強度を有することが判った。但し、低温・低圧成形では樹脂の十分な含浸を確保するため、30分以上の高温保持が必要であった。 2.ステッチボンドFRTPの簡便な船体成形技術の開発 ステッチボンドFRTPの加熱真空バッグ成形システムのバッグ素材としてシリコンゴムを採り上げ、常温での引張試験、高温での永久ひずみ試験、ビルドアップ法による真空保持性能試験等を行った。その結果、永久ひずみは225℃において高々3%程度であるなど強度に問題はなかった。また、圧力上昇速度は200℃において10Pa・1/sec程度であり、真空バッグ成形の圧力保持は十分であるとの結果が得られた。
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