2006 Fiscal Year Annual Research Report
亜臨界水処理によるカニ殻からの新規高純度キチン連続生産法の開発
Project/Area Number |
18360437
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中村 秀美 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (70198232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 弘之 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50081360)
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Keywords | 廃棄物処理再資源化 / 有価物回収 / ゼロエミッション |
Research Abstract |
カニ殻やエビ殻などのキチンを含む有機性廃棄物が大量に排出されており、その処理方法が課題となっている。本研究では亜臨界酢酸水を用いたカニ殻からのキチン生産、キチンの低分子化による有用物質の生産および脱アセチル化によるキトサン生産法について検討を行った。 1)亜臨界水処理した後、常温塩酸処理するという2段階の方法を用いることで、高純度のキチンとタンパク質の分解物であるアラニン、アルギニン等の各アミノ酸、ピログルタミン酸、酢酸等の各有機酸を得ることができ、カニ殻からの有用物質の生産にはこの方法が非常に有効であることを明らかにした。 2)亜臨界水処理法として、弱酸である酢酸を用いることで、強酸、強塩基を使わずにほぼ100%近い高純度のキチンを生産することが可能であり、従来の大量の薬剤を使用し10日間必要とした脱タンパク、脱炭酸カルシウム、脱脂、脱色工程といったプロセスをたった1段のプロセスで、1〜10分間という短い処理時間でかつ低コスト化を図ることができることを明らかにした。 3)キチンを亜臨界水処理し、低分子化することで酢酸、ギ酸、リン酸、グリコール酸、糖であるグルコサミン、エリトロース等の高付加価値物質を生成することが可能であることを明らかにした。 4)キチンを水酸化ナトリウムを含む亜臨界水で処理することで、数日かけて、しかも脱アセチル化度も約70%と低かった従来法より、493K、4分という短時間で脱アセチル化度96.8%という高純度のキトサンを生産できることを明らかにした。 5)亜臨界水処理液に含まれるリン酸、有機酸、アミノ酸は基礎実験でOH型強塩基性陰イオン交換樹脂や超多孔性のPEIキトサン樹脂を用いたカラム操作によってうまく分離することが可能であった。
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